デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

80年代J-POPアルバム紹介 ~奇跡の1枚~ 硬派編

今回は、私が硬派と思うものをチョイスしてみました。「硬派だったらPOPではなくROCKだろう」と言われそうですが、J-ROCKという言葉もないですしね。

まあ名前問題はとりあえず置いておいて、骨太な音に耳を傾けましょう。

あともう一つテーマがあって、今回ご紹介するのは「過渡期」のアルバムだということです。この1枚から完全に流れが変わったなというレコードがありますよね。音楽性とかコンセプトのお話です。興味深いし、過渡期のアルバムは出色のものが多いような気がします。私だけかな?

 

浜田省吾(Promised Land~約束の地)

浜省ね~、懐かしいな。すごく「この1枚」を選ぶのが難しい人です。ファーストアルバム「生まれたところを遠く離れて」もよく聴きました。タイトル曲はブルースっぽくてなかなかに染みる歌です。

ずっぽりはまっていたのは「約束の地」からJ-BOYまでで一番よく聴いたのは「J-BOY」かもしれません。「J-BOY」は、アレンジもバンドメンバーに割り振られていて、メンバーそれぞれの才能と温かさが伝わってくる傑作だと思います。

一方この「約束の地」はアレンジャー水谷公生の色が濃いです。サウンド的には。

そして、コンセプトアルバムを明確に意識し始めたのがこのアルバムなのです。ジャケットを見てもわかるように「反原発」をテーマに全体が構成されています。

ラブソングやアカペラ、アーリーアメリカンな曲調とバラエティに富んでいますが、非常にコンセプチュアル。聴き方によってはどれも「子ども達の未来のために」というメッセージが感じ取れます。

今聴き返してみたけど、全曲に感想を書きたいくらいのアルバムですね。FMラジオで初めて浜省を聴いて「こんな曲があるんだ」と驚いた想い出が大きいな、やっぱり。

その時に聴いたのが「マイホームタウン」「DJお願い」「バックシートラブ」「僕と彼女と週末に」でした。

 

 

甲斐バンド(虜-TORIKO)

甲斐バンドといえば「安奈」とか「HERO」とかが有名だし、初期の方が硬派な印象が強いです。でも私が好きなのは、甲斐よしひろがニューヨークのサウンドを取り入れ始めたこの頃なんです。初期と比べると音がすごくきれいでアレンジがキラキラしていますが、この方向転換こそがロックだと私は思っています。

曲順も初っ端に「Blue Letter」を持ってくるところにヒネリを感じる。とにかく「考えて」作ってるアルバムです。私が特に好きなのは2曲目の「観覧車82」。セルフカバーですがこちらのアレンジの方がいい珍しい例です。「Blue Letter」もそうですが、歌詞がすごくドラマチックで、後にも先にもこんな歌詞はないんじゃないかな。

「雨の日に二人式を挙げた。借り物の上着、友達が縫ったドレス♪」で始まる、私小説のような楽曲です。

 

LICENSE (24bit リマスタリングシリーズ)

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  • アーティスト:長渕 剛
  • ユニバーサル ミュージック (e)
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長渕剛(ライセンス)

だいぶ、男臭くなってきましたね。

最後を飾るのは長渕です。

吉田拓郎に心酔してフォークを始めた気さくなあんちゃんが、「ロックの長渕」になっていった過渡期のアルバム。この時期に何があったんだろう。

まだちょっと迷いがあってそこがいいんです「ライセンス」は。

でもサウンドとかすごく気が利いていて詞も完成度が高いです。

タイトル曲や「何の矛盾もない」も名曲だけど、「パークハウス702in1985」が個人的には好きです。こういう感じはこの頃にしかない。

シングル曲「ろくなもんじゃねえ」だけがアルバムの流れから浮いていて、ちょっとだけ残念だけど。

 

さいごに

3枚ともクルマでよく聴いていたっけ。夜中にあてもなくドライブしていた時期を思い出します。無意味なようで、あの時代があってよかったなと今は思います。

では。

 

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