デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

80年代J-POPアルバム紹介 ~奇跡の1枚~ 秋

早いもので前の記事(奇跡の1枚 夏)を書いてから、一つの季節が過ぎようとしています。~♪夜の間でさえ季節は変わってゆく~ My Little Loverも歌っていましたね。

ちょっとおセンチになってしまうのが秋なんですね。毎年そう。

「男は黙って鳥羽一郎」という剛の者もおられるとは思いますが、今回は思いっきりセンチメンタルなセレクトにしちゃおうかなと思っています。

前の記事はこちらへどうぞ。奇跡の1枚とはなんぞやもわかります。

hitsuji360.hatenablog.com

 

 

小林麻美(CRYPTOGRAPH 愛の暗号)

秋になると無性に聴きたくなる、はかなく、切なく、危うい歌たち。どれだ形容詞を重ねてもうまく表現できません。

超有名ヒット曲「雨音はショパンの調べ」を中心にした1枚ですが、いや名曲揃いです。それでいて一つのコンセプト「愛の暗号」が背骨のようにしっかりと全体を支えている。本当によくできたアルバムなんです。これぞ「奇跡の1枚」。

麻丘めぐみと並んでアイドルとして活躍した小林麻美がこんなコケティッシュな変貌をとげるなんてだれが想像したでしょう。どちらかというと歌手としての小林麻美ではなく、女優やモデルだからこその表現がここにあります。発声も独特で、息遣いやささやきが彼女の歌の魅力なんです。そこに目を付けた大物アーティストが楽曲を提供して壮大な世界を作り上げています。ユーミン井上陽水玉置浩二、そしてガゼボ。それぞれがいい仕事してるんですが、それを表現しきった小林麻美の度量はやはりすごいというか神がかっています。

昨今の、「すごく声量あります」「歌めっちゃうまいです」「このテクニック見て」というドヤ歌に辟易としている貴兄にはオススメです。

個人的には1曲目「月影のパラノイア」5曲目の「Transit」が好きです。

 

 

EPO(PUMP!PUMP!)

なんだ、夏じゃないの?

1曲目を聴くとそう思うかもしれませんが、私の印象は秋から冬にかけてのすごく天気のいい日に聴きたい気持ちいいアルバムです。エポの歌ってなんか清潔感があるというか品行方正なイメージありませんか?例えるなら、結婚を決めた彼女とその両親を車に乗せてドライブに行くとき流すとちょうどいい感じ。めっちゃ声がクリアで歌がうまいからかなあ。

でも決して面白みがないわけじゃなく、感傷的な切なさもあるし音楽的な遊びも随所に感じられます。このアルバムも全体を通して明るいのですが、「ざらっとした孤独感」みたいなものが胸を痛める傑作なんです。

個人的に好きなのは9曲目の「切りすぎた前髪」。カバーですが「イッツ・ア・シェイム」もいいです。

 

レベッカ(TIME)

レベッカはどれを選ぶか本当に迷うのです。「POISON」にしようかとも思いました。人気でいえば「May be tomorrow」なんでしょうね。フレンズも入ってるし確かに「何かが憑いてる」感じはあります。本来奇跡の1枚ならこれかもしれません。でも、その直後に出されたこの「TIME」がすごく好きなんです。周りの友達には不評でしたね。「May be tomorrow」の後だから余計がっかり感があったのかも。

全体におとなしい印象ですが、前作よりも柔らかさや奥行きを感じさせる良作です。NOKKOの作詞の才能を思い知らされた1枚。私は松本隆秋元康と並んで称されるべきと思っているくらいです。

 

 

さいごに

もっと紹介したい物件はありますが、いかんせん時間がない。思い入れが強くて、1枚に時間がかかるのです。あー、このアルバムをかけてドライブに行きたい。高速を流したいと切に思います。

 

では。

よかったらあわせてどうぞ。

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