「子供と一緒にどこ行こう」
これは初代ステップワゴンのキャッチコピーです。まさにホンダステップワゴンの性格を言い得ていますよね。まだ子供の小さなお父さんが、家族をどこかに連れていくためのクルマ。すごく明確なコンセプトです。
そこにはエンジンの性能や装備の高級感や「自分を大きく見せる」要素はまったくありません。ビートルズのオブレディ・オブラダに乗せて、子供が夢見るような世界が展開されるテレビCMはいまだに記憶に残っています。
アートディレクターの佐藤可士和の出世作でもありますが、これは顧客の価値にフォーカスした好例でしょうね。
そんな庶民の味方、ステップワゴンも6代目になりました。
デザインはすごく私のツボです。余計なキャラクターラインがなく、シンプルで清々しい。初代から継承される「等身大デザイン」とでもいおうか。
ただし3ナンバーになったのですね。
大きなボディを維持するのは、税金の面でたいへんなことではあります。それでもワイド化に踏み切ったホンダ。どうしてだろう。
先代までは5ナンバーで7人乗りというフォーマットだったのに。
クルマの開発には3年かかるそうです。これは車種によっても違うそうですがだいたいそれくらい。そう思ったときに「あ」と気づきました。コロナです。
このクルマの開発期間がちょうどコロナとかぶっています。
今までは家族で和気あいあいとドライブに行くクルマだったのが、それぞれのシートで自分の時間を楽しむクルマになったのかな?それを実現するには大きなボディが必要だったのかな?
なんだかそんな気がして、ちょっとだけ寂しい気持ちになりました。
いや、かってに想像して言っているだけなので真相は定かじゃないんですけれど。
でも、デザインはやっぱイカしてるので、デビューしたら青山のショールームにでも行ってみようかなと思っているこの頃なのです。