デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

ザ・フィンランドデザイン展を観てきました

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娘が観てきて「よかったよ」ということで、私も正月休み最後の休日をこれに充てました。

IKEAでわかったと思わないで

何か一つのものを見ただけで「わかった」と思うのはすごく危険だなと。

「北欧?ああ、IKEAみたいなのね。いいよねシンプルでさ。」

自分も少なからずその傾向があったことは認めます。まあ、デザイナーだしそれなりに長く生きているので、それだけってことはないのですが。

北欧、あなたはどんなイメージを持っていますか?

音楽なら、先輩諸氏はABBA、私と同年代ならカーディガンズかな。デザインで言えばmarimekko、食器ならロイヤルコペンハーゲン、キャラクターならムーミン

あら、けっこういろいろありますね。なんとなくテイストが揃っているのは偶然かな。クールで輪郭がはっきりしていて清潔感のある感じ。

でもそれだけじゃない。それが今回の展示でわかったことが収穫でありました。

最も感じたのは「力強さ」

民主主義から社会主義への変革と、経済や文化の波が交錯する北欧フィンランド。北極圏という特殊な気候も大きな要素です。

「寒いから家の中で過ごすので、シンプルで洗練されたデザインがメインになる」というのはある一面の知識で、間違いではありませんがそれだけでもないのですね。ドイツのバウハウスの流れやモダニズムの影響、フィンランド独自のデザイン教育制度が入り組んで「力強さ」を感じる展示でした。

端的に言うと「明快で分かりやすい」。それはシンプルではあるのですが、ユーモアや人間真理に訴えてくる機微があります。

いろんな要素をそぎ落としたものなのか?展示だけではわかりませんでした。

写真撮影ができないのでお見せできないのが残念です。

ムーミンのテーマ

印象的だったのがムーミンのエリア。「かわいい」だけではない、深遠なるテーマが垣間見れる展示になっていました。テーマは「友情」「自由」「孤独と向き合うこと」。子供向けではなく、大人が観ても耐えられる物語になっているのです。

 

貴重な展示でした

展示数は比較的少ないし、映像等もとくにありませんが貴重な体験でした。それでも実際にフィンランドに行けばまた違ったことが体験できるのでしょうね。行きたいなあ。フィンランド。そんな感想を抱きながら渋谷からの帰路につきました。