ちょっと昨日の補足から
「人は必ずしも最適な選択をしているわけではない」
これはナッジ理論の根本となる考え方です。
たとえば夏休みの宿題を
・早めに片付ける子供
・計画的にコツコツとこなす子供
・「やらなければ」と思いながらギリギリになってしまう子供
がいますと。
最後のは私か?ちなみに一昨日、会社の同僚2名に聞いたら私を含めて三者三葉でした。言い訳っぽいけれど、私が怠け者だからではなく「人は常に合理的な判断に基づいて行動しない」ということなんです。
ではどうやったら計画的に宿題をしてもらえるか?
それを「よりよい方向に誘導する」のがナッジ理論です。
「選ばなくていい」は最強の選択肢
同僚とのランチ。さあ定食を選ぶというときにあなたはどうしていますか?
昨日食べたもの、ダイエット、今の体調など選ぶ要因はあれど、限られた時間の中では同僚の頼んだ「本日のおすすめ」に決まりがちですよね。
これは「本日のおすすめ」を選択したのではなく、「考えるのをあきらめた」ということなんだそうです。「選ぶ」という作業は人にとってストレスになるんです。
まあ、私の場合は思いっきり悩みますけどね。同僚もそこはあきらめいます。
余談ですが、中華料理屋で定食を決めた後で壁の「お得なセット」を見つけて悔しい思いをしたことってありませんか?
Opt-in Opt-out
▢ アンケートのお知らせを希望する
▢ アンケートのお知らせを希望しない
アンケートのお知らせを要請したいときに上はチェックし、下は何もしないという形式の違いです。ちなみに結果は上が51.8% 下が96.3%。
シンプルな質問に関しては、下のOpt-outが有効なのですね。
やはり「選ぶ」というアクションは人に負荷をかけるということがわかります。
「どれにする?」から「いつにする?」に
国交省の資料では、これを受診に応用した事例が載っています。がん検診は特定健診のオプションなのですが、これをセットにしてしまう。で、要らない人は「がん検診」にチェックするOpt-out形式にしてしまうのです。
こうするとセットで受けるのが普通になります。
そして受診そのものについても、選択制ではなく「希望日を丸で囲む」というフォームに変更。いつのまにか、「受けるか受けないか?」が「いつ受けるか」に自然になっていくのです。これはいろんな場面ですごく参考になりますよね。
余談ですが(余談多いです)、私の妻は洋服が欲しいときにこの手を使います。
「この服欲しいな」と最初は言っているのですが、そのうちに「この色とこの色だったら、こっちかな」という具合に、買う買わないから色の選択にシフトさせてしまうのです。あ、ちょっと違うか。
まあでも、ストレスなく最適なところに導いていくナッジ理論、すごいですよね。