ナッジ理論シリーズもこれで最後となります。
なかなか読みごたえがあったのでは?
最後を飾るのは「心の扉がひらく瞬間」にフォーカスします。
効果的なDM(ダイレクトメール)、4つの要素
例えばあなたがDMをお客様に送りたいと思ったときに、
・誰に(ターゲット)
・いつ(発送時期)
・何を(内容)
・どのように(デザイン)
を考えなくてはなりません。
重要度は、ほぼ並べた通りだと思います。デザインは最後なんですね。
優先順位を間違えるとせっかくの予算と労力が無駄になることが目に見えています。
ここで注目したいのは、「誰に?」の次に鎮座する「いつ?」。
内容はもちろん一番大事なのですが、ここではターゲットに向けた具体案と言ったほうがいいでしょう。これは時期によって変わってくるものです。
社会人一年生の人生設計、生命保険
日本人の生命保険加入率は80%を超えているそうです。
タイミングとしては、
1位 社会人になったとき
2位 結婚したとき
人生で最も高い買い物(年間20万円超×何十年)かもしれない保険ですが、これを20歳そこそこの若者が決断するわけです。
自分の収入で食べていく、または家族が増えるといったタイミングで、普段はあまり考えない何十年後の人生を見ているのですね。
そういえば、クレジットカードを作るのもこの時期かも。
心の扉がひらく瞬間
生活のパターンが変わったりすると、それによって自分の考え方が変わります。
人の思考や行動は絶対的なものではなく、実は目の前のできごとに影響を受けているという…。だから、単純に「いつ?」でくくれないこともあります。
ターゲットの関心が最大になったタイミング。それが「タイムリー」になるのですね。
がん検診勧奨にも応用
大腸がん検診の結果が「要精密検査」だった人の20%しか検査を受けていなかった自治体でのお話です。
受けない理由は、
・検査が大変そう
・時間がかかりそう
・費用が…
といった感じですね。
そこでとった施策は、
検査結果を伝えるタイミングで医師が「要精密検査」に受診勧奨する
というもの。
診断結果を聞くときって、一番健康に対する関心が高いときなんです。ここを逃さず医師が伝えることがすなわち「タイムリー」。さらにその場で予約をしてもらうことで大腸がんの早期発見につながるそうです。
まさに「心の扉がひらく瞬間」ですね。
いかがでしたか?ナッジ理論
国立がん研究センターでは、行動科学やソーシャルマーケティング手法を活用して、がん検診の勧奨を進めているそうです。詳細はこちらをどうぞ。
いままでシリーズでお送りしましたナッジ理論シリーズもこれでおしまい。
続けて読んでいただいた方、ありがとうございました。