さあ、長期シリーズでお送りしている「ナッジ理論」も折り返し地点を超えました。
いま一つ反応がわかりませんが、このまま最後まで走り続けます。
本日は、「みんなで渡ればコワくない」を逆から見たようなお話です。
払っていないのは私だけ?
英国で実際におこなわれた施策です。税金見納者にあてた納税を促すレターの中に入れた文章です。
「○○市では10人中9人が税金を決められた期日内に納めています。
あなたのような未納者もほとんどが既に納めました。」
この文章を入れないものと、入れたもので比べた結果5%もの違いがでたそうです。
ああ、これはわかるなあ。わたしはこの感覚、日本人っぽいと思っていましたが、他の国でも共通していたんだと軽く驚きました。
ちなみに先ほどの施策では、約1億7千万円も多く税金が納付されたようです。
まあ、どんだけ未納者が多いんだよと違う意味でも驚いたのですが。
周りのこと気にしてる?
私たちは自分で考えるよりずっと周りの人の行動や発言に影響を受けています。
「人並みに暮らしたい」という感覚は、モノが少なかった時代に限らず現代でもずっと存在しているのですね。去年の洋服が古臭く見えるのも、実は周囲の目を気にしているから。ルンバ(お掃除ロボット)が私の家にも欲しいなと思うのも同じことです。
アパレルショップや家電メーカーはこの感覚を逆手にとって事業を展開したり広告を打っているのです。スカートの丈なんか、毎年変わっていますよねえ。あなたの部屋、ほうきとチリトリで十分ではないですか?
健診に行かないのはあなただけ?
さすがに「あなただけですよ」という露骨な伝え方はしていませんが、
「おかげさまで、受診者が1.3倍になりました」
「2人に1人が受けています」
というようにソフトに表現しています。
まあ、たとえ露骨に表現したとしても市民の皆様を健康に導くためにやっているのですから、問題はあまりないとも言えます。
このエッセンス、私の業務分野である「広告」でも使い出があるなあと感じました。