デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

デザイナーの資質

昨日、クライアントのオフィスに訪問して打ち合わせをしていたとき。

ふと、「ああ、自分はデザイナーなんだな」と思いました。

最近のクライアントは、けっこうデザイン作業をされることが多くなってきました。パワーポイントやエクセルを自由に操り、ときにはイラストレーターを使うこだわりさんもいて、「いやあ、すごいっすね」と私も心から感心しています。

前にも書いたけれど、昨今は編集の才能があればどんな人でもデザイン作業ができます。材料はネット上にいくらでも落ちているし、テクニック的なTIPSもすごくわかりやすいものが動画でみられます。ただここで「デザイン作業」とあえてしたところがポイントなのです…。

何をもってデザイナーと言うか?

名刺に「デザイナー」と記せば、今日からあなたもデザイナー。いや、名刺というのがもう古いのかも。それこそ、ココナラとかでデビューしたデザイナーさんはけっこう増えたんじゃないでしょうか。デザインでリベートをいただいているのですから、それは正真正銘のデザイナーなのです。

以前、必要に迫られてイラストを描いていたことがあります。今みたいに素材が潤沢になかった頃の話です。下手なりに描いているとそれなりに見えてくるものなんですね、これが。お客様におだてられて、「どうやったらこんな風に描けるの?」と言われたときにこう答えたことを思い出します。

「描けるまで描くだけです。例えばブランコだったら、ブランコになれーと言いながらひたすら描くのです」。

そうだ。デザイナーもそうなんだと。

できるまでやるのがデザイナー。やらない(やれない)のがそれ以外。簡単なことなんです。

クライアントには他の仕事があります。

昨日のクライアントは、私がエクセルで作ったデザインに対して手を加えていたのですが、ロゴの位置がどうもおかしい。最終的に「どうしていいかわからない」というところにポツンと置いてあったのですね。たぶん、時間をかけて考えれば最適な位置はわかるはずですが、彼らには彼らの仕事があります。

私はデザインを仕事にしていますので、そこに時間をかけて答えを出します。あとは、「最終的な完成度を保証できるか?」ということ。これは「イメージの解像度」を上げなければならないので、普段から研鑽を積まなければなりません。

ま、仕事を進める方法論みたいなものもモチロンあるにはありますが、

「イメージの解像度」と「できるまでやる」ということがやっぱり大切だなあと打ち合わせしながら思ったのでした(集中しなさいって)。