デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

アイデアってなんでしょうね?

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デザイナーというと、いつも新しいアイデアを出すのに苦労しているイメージがあるかもしれません。デザイナーに限らず、アイデアというものがどんな業種でも「出さなきゃいけないもの」と思われがちなのも事実です。

会議で「ジャストアイデアですが…」とか言って話を切り出すと、「むむっ、お主できるな」という感じが出せます。

でもね。ほんっとうにできる人はわざわざアイデアなんか出さないんです、きっと。

「アイデアマン」という言葉がありますが、ノーベル賞をとった人たちで「アイデアマン」がいたでしょうか?彼らは日々の業務を普通にひたむきにおこない、最終的に成果を上げています。アイデアなんてないほうがいつも「本格派」なんですね。

 

イデアマンとは

逆に「アイデアマン」のイメージはどんなものでしょうか。

突飛なアイデアで企画を大きくジャンプさせる人といったところかな。私の勝手なイメージでは「町の発明好きのおじさん」みたいな人が浮かびます。「この筆箱に鉛筆削りを着けたら便利になるぞ」とか言っていそうな。

私の会社でも年一回「アイデアコンテスト」なるものが開催されています。もう何年も続いていて毎回とても興味深い「アイデア」が生み出されますが、モノになった案件はひとつもありません。成果を上げているのは当たり前ににやっている普段の業務なのです。

 

イデアは必要です

ではアイデアが要らないか?と言うとそうではありません。普段の業務の積み重ねの中にある「小さなひらめき」こそがアイデア。斬新なアイデアが飛躍的な進歩をもたらすというのは幻想のような気がします。

私の仕事であるデザインにしても一見アイデアがすべてを引っ張っているように見えますが、実はヒアリングと情報の収集・分析が大きなウェイトを占めています。

そして「小さなひらめき=アイデア」を大事にしつつ、最後はアイデアに頼らないデザイン作業が非常に重要になるのです。

私の敬愛するデザイン会社「D-BROS」は、グラフィックデザインを軸にした素晴らしいプロダクトを多数リリースしていますが、アートディレクターの弁を借りれば「アイデアじゃないですよ。デザインです」ということです。それはなんだか逆説的に私には思えるのです。「アイデアが大事だからこそ、デザインをおろそかにするなよ」と。

 

最後に

ここ数年は「さあ。アイデアを出そう」ということはほとんどありません。とにかくクライアントや消費者のニーズを引き出すことに集中するだけです。そこに「ひらめき」があれば、後になって「ああ、あれが今回のアイデアだったんだな」と思い返したりしています。

 

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