パントマイムの世界では有名ながーまるちょばさん。オリンピックのピクトグラムでまた脚光を浴びていましたね。もともと2人組だったのが、今はソロでHIRO-PONとして活動しているとは知りませんでした。
パントマイム、私けっこう好きでテレビなんかでやってると思わず目が釘付けになっちゃいます。メディアで有名なのはがーまるちょばさんですが、街で見かける大道芸なんかもその一種になるのかな。あれも好きでできれば見ていたいけど、妻はあまり興味がないようで少しだけ覗いて立ち去ってしまいます。
大道芸だとだいたい「投げ銭」で、演目の最後にある回収の時間がちょっと切ない感じでイヤなのかもしれません。
パントマイムは嘘の芸
「ほぼ日」でHIRO-PONさんのインタビュー記事を観まして、あらためて「おもしろい世界だな」と。ソロになってよけいにパントマイムの持っている哲学性みたいなものに目覚めた印象を受けます。単に「壁がある」ふりをするのはパントマイムではなくて、HIRO-PONさんを通して観る人が壁を感じたときにパントマイムと呼べるんだというような内容だったかと。かなり長いインタビューだったので、端折りすぎていたらごめんなさい。
ゆえに、演者は本気で「壁がある」と思い込む必要がある。いや、思い込むのさえも違って、「あるんだ」。なんだかすごいな。
みかんむき
村上春樹の短編小説で、バーで知り合った女の子がパントマイムの修行をしている話がありました。そこに「みかんむき」が出てくるのですが、主人公の前で実際にやってみると本当にみかんがあるように見えると。雑談しながらどんどん(そこにない)ミカンをむいていく女の子に「すごいね」と言う主人公。彼に対して返した言葉が印象に残っています。
「こんなの簡単よ。みかんがあると思いこんじゃダメなの。そこにみかんがないということを忘れればいいのよ」
嘘がばれないようにするには
ここからは私が考えたこと。
嘘ってだいたいばれますよね。それなら自分をだませばいいんじゃないか?と思いついたのです。嘘をつくと、ついた嘘と自分の頭の中のホントが乖離してやがて表面に出てしまう。それが「嘘の構造」なんじゃないかと思ったのです。
まあ結局自分をだましている限りは嘘を自分でコントロールできないし、あまり意味がない行為になりますね。そもそも嘘自体があんまり褒められたものじゃないから、パントマイムの世界にとどめておいたほうがよさそうです。