インターネットが発達して、これだけ情報が氾濫してくると、なんでも知っているような気がしてきます。生活の中でのだいたいの疑問や悩みは、グーグル先生の検索窓にワードを入れることで答えが出ます。深く知りたければ、さらに検索。もっと知りたければ、有料サイトもありますよと。
それはそうなんですけど…
私たちが気になって、考えて、調べて、わかったこと以外にも、私たちが気づかない「プロの仕事」で世の中はできているんだなあ、という当たり前があるのです。
前の記事の続きですが、私がマンションを買って気づいたことがとてもわかりやすいので、書きたいなと思います。
コンセントの位置
なんか、かっこ悪いと思いませんか?このコンセントの位置。
変に高い位置にあって目立ちすぎです。デザイナー的には「それはちょっと」と言いたいところです。
もし、私が設計に加わっていたらこうはしなかったんじゃないかな。
でもね。これが住んでみると非常に都合がいいのです。なぜだかわかりますか?
正解は掃除機をかける時の利便性です。かがまなくても掃除機の電源がとれますね。
掃除は毎日のことなので、身体的な負担は圧倒的に軽い。
最近は充電式もあるのですが、扇風機やヒーターも使うので便利なことに変わりはありません。使ってみてわかったのですが、意外とコンセントの抜き差しの機会は多いのです。
引っ込んだドア
写真が分かりづらいかもしれませんが、ドアはけっこう引っ込んいます。
これもデザイナー目線でいうと、ツライチ(壁とドアが同一面)にしたらかっこいいのに!と思ってしまいます。もしかしたらミニマリストかも。
でもね。これも暮らしてみると理由がわかるのです。
ツライチにするとドアノブが衣服に引っかかったり、体に当たったりしてストレスになります。廊下は朝の忙しいときには速足で歩いたりするので、これも地味にありがたい工夫です。
他にもわかりにくい工夫がいっぱい
なんだかルームツアーみたいになっていますが…。
クローゼットの取っ手も、流行りの「押すと開く」だと美観的にいいのかもしれませんが、これも頻繁に使うことを前提としていて使いやすいです。そのぶん、取っ手はシンプルな造形で好きです。ここは壁とツライチですしね。
キッチンの作業台や棚の高さも絶妙です。これは、内装工事の際にオプションで指定できるのですが、わが家の場合はそのままで妻も私もOKでした。
繰り返しますがイニシアいいですよ
デザイナー羊の浅はかな考えを、いい意味で裏切ってくれたイニシアのプロ目線にはホント脱帽です。実際に住んでみると、機能的なものはやっぱり美しいと感じますしね。美観ってそれほど単純なものではなく永い時間をかけて馴染んでいくものもあるんだなと、いい勉強になりました。