デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

どこでミッキーマウスの耳をとるのか問題

私はJR京葉線をよく利用します。

知っていますか?京葉線。東京と千葉を結ぶ線なので「京葉」線です。舞浜にある某テーマパークの建設によってこの路線の計画が進んだことは容易に想像できますね(実際には違うかもしれません)。

おもに通勤でこの電車を使っている私には思いっきり現実的な交通手段であるにもかかわらず、かたや夢の国に行くための、または帰路に就くためのものでもあるのです。

残業で疲れて家路につくとき、よく目にする「頭にミッキーマウス(の耳)のカチューシャを付けた人」。

「ふーん。ディズニーランドは楽しかったかい?オイラは仕事でへとへとだよ」

でも彼らには何の罪もありません。日常のリフレッシュのためにお休みをとってわざわざ出かけてきたのですから。

どこでそのカチューシャをとるのか問題

ディズニーランド(シー)はその場所だけでなく、同心円状に楽しみのグラデーションが広がっています。いちばん濃いのがパーク。そして次にホテル群。さらにイクスピアリやボンボヤージュといった施設があります。ここまでが東京ディズニーリゾート。そして京葉線、東京駅とディズニー色は薄くなりますが、ファンたちにとってはまだ「ハレの場」なのです。

ハレから現実に気持ちを切り替えるのはどこなんだろう。それは、あのミッキー(ミニー)カチューシャをはずす瞬間ではないかと思ったワケです。

ここか!という場面発見

以前東京駅の新幹線ホームでそれをはずす場面を発見しました。たぶん20代前半でしたので、大学生か社会人になりたての女子たちです。「さて」という感じで。

そうだよね。明日からは現実が待っているし、新幹線の中でミッキーの耳を付けているのはちょっと恥ずかしいからね。ま、小学生くらいまでならまだセーフかもしれないけれど。

 

ハレとケ

広告関係の仕事をするときにこの概念は気にしています。ハレはイベントや夢のある場面、おめでたい席など。「晴れの舞台」からきているのでしょう。ケは日常、現実です。これは「ケガレ」からきていると聞いたことがあります。

ハレとケはなかなかスッパリと分けられるものではなく、ハレの中にもケの要素があるし、その逆も然りです。広告屋さんはそのスイッチを作る名人なのでしょうね。ミッキーマウスの耳は、プラスチックでできた「モノ」ですが、それを付けたときに現実世界から夢の世界にすんなり入っていける道具なんじゃないかな。

私のようなひねくれものは、それをはずすときのことを考えてしまうのですがね。

みなさんはどこではずしますか?