デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

デザインのクライアントあるある

デザインを依頼してくれるお客様、いわゆるクライアントのお話。

精神を安定させるためには、人間ときには愚痴を言うのも必要なことです。

と、予防線を張っておいて本日は愚痴のオンパレードといこうかな。いや、それではあまりにも後味が悪いし、そもそも人の愚痴なんか聞きたくないのも人間です。

まずは愚痴を吐露して、そのあとちょっとだけ対応策を考えよう。うん、それがいい。ではレッツラゴー。

ディレクターですか?

ここは赤にしてください。もっと文字を大きく。タイトル書体、気持ち太く。ロゴは大きくしてください。爆弾みたいな吹き出しで…。

プロも顔負けのディレクターっぷりです。ただ一つ違うのは最終責任をとらないこと。バランスを崩した無残なデザインを前に「やっぱり元に戻して」という悲しい結末。いや元に戻すのはいいんです。そのまま世間に出てしまうのは、本当に勘弁してほしいと切に願います。だいたいの場合クライアントにデザイン経験はないので、「赤は目立つ」とか「大きい文字は読みやすい」といったバイアス(思い込み)によるものが多いですね。実際にはデザインはそんなに単純なものではありません。

これは自己表現の話では全然なく、十分に役目を果たせないものに費用をかけてお客様に不利益を与えているということ。デザイナーはそこに心を痛めているのです。

【対応策】ここに関しては私にも反省点があります。ヒアリングや打ち合わせの際に「どんなデザインがいいですか?」と安易に聞いてしまうこと。ではなくて「こういうデザインにすべきです。」という提案を常に持っていないとダメですね。原稿制作ではクライアントの協力が不可欠ですので、最初に立ち位置というか役割分担をきっちりすべきと思います。

 

AIデータください

これは最近多いですね。私たちはAI(アドビイラストレーター)というソフトを使って制作することが多いのですが、そのデータを譲渡しなさいというワケです。

PDFであればセキュリティをかけることができますが、AIは自由に変更することが可能です。社内でデータを持てば、ラクスルなんかの激安印刷会社で印刷し放題です。なかには著作権をくださいというクライアントも出てきています。

【対応策】AIデータは資産です。しかし、だんだんその意識がなくなってきています。これからは、データ譲渡を前提に値付けをする必要がありますね。印刷会社はどんぶり(コミコミ)で請求することがおおいのですが、きちんと「デザイン料」という名目で対価をいただかないといけません。

 

死ぬほど急がせて放置

「今日の午前中までにデザインあげてください。」「あと3時間でなんとかなりませんか?」こんなオーダーはしょっちゅうです。「ま、ゆっくりやってください」というパターンは滅多にないですが。

必死で間に合わせて提出したら、2週間何の音沙汰もなし。けっこう失礼ですよね。お客様は神様ですか?と。

【解決策】営業も同じことがいえますが、人は「自分の都合」だけを考えているということ。ここは割り切って、あまりにも無理だったら「いや、それ無理です」とこちらも自分の都合を言うしかないでしょう。「そこをなんとか」というのは簡単なことなので。私たちには「いいモノを作る」という責任があることを申し伝えましょう。

 

案の横流し

言語道断です。でもけっこうあります。先ほどのAIデータと関係していますが、コンペ形式をとってデータを引き上げ、他の会社に横流し。最後は価格の入札にしてデザインを作っていない会社が激安価格で落札するパターンです。書いていて腹がたってきますね。結局、関係の悪化を恐れて泣き寝入りです。

【解決策】これは人の道に外れたことなので、できればお付き合いをやめるべきと考えます。関係を維持しても、いい仕事がいただける保証はなにもありませんから。

 

最後に

いやあ、軽いタッチで書くつもりが血の叫びとなってしまいました。

ほかにもたくさんありますが、今日はここまで。

デザイン関係の方には「あるある」でしょうけど、「知らないよ」という方、クライアントの側の方には失礼しました。

では。

 

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