毒蝮三太夫が落語家の立川談志とケンカした話です。
品川駅のホームで毒蝮と談志が口喧嘩。原因は談志が1週間「寄席を抜いた」こと。
噺家は忙しく働くときと仕事を抜くときがあるそうです。100円でも報酬のいい仕事ならやりますが、そうでなければけっこう長い休みをとります。学生兼俳優で若いマムシさん(当時二十歳)には理解できません。
「なんで真面目にやらないんだ」と談志を突き飛ばしたら、柱にもたれていた談志はくるっと回って元に戻ってきたと。ゆえにマムシさんは殺人はせずに未遂に終わったということです。
「オマエ、死んだらどうすんだ!洒落になんねエだろ」
「そりゃ、オマエ。洒落が通じなかったんだよ」
という締めもなかなか味わい深い、「どこまでがホントかわからない」話なんですが…。
仕事を抜く
でも、寄席を抜くというのは実際にあるそうなんです。そりゃ、日々ルーティンでやっている仕事と違い噺家はほぼすべてがクリエイティブなので、常に自分をリフレッシュしなければやっていけないのでしょう。この「仕事を抜く」というのは面白いなと思いました。
私の仕事(デザイナー)は、完全にすべてがクリエイティブとは言えませんが、「自分の気持ちをコントロールする」ことは不可欠だと思います。それはデザイナー以外の職種の方でも同じなのかな?
ずーっと気を張って、働きづめでやったら精神も肉体も悲鳴を上げます。私もたぶんやってこれなかった。もちろん一所懸命にやるときは寝食を忘れるほどですが、一区切りついたときにはサボります。サボるというと人聞きが悪いですね。有休をとったり、早く仕事を切り上げて映画を観たり…。これはサラリーマンの「抜き方」ですね。
私も管理職時代に「忙しくないときは休みなよ」と諭したものですが、もっと具体的に言ってあげればよかったかなと思い返したりしています。
フリーの方はどうしているのでしょう
フリーランスとなれば自己管理もやらなければならないのでたいへんですね。
「自分の機嫌は自分でとる」というのは大人の鉄則ですが、仕事となればなおさらです。まあ、そこはサラリーマンよりも自由な分「抜き方」にもバリエーションがあるのかもしれません。でも、勤勉な日本人は休むことを忘れがちなのもこれまた事実です。
誰も「休め」なんて言ってくれませんしね。
働くために休む
このあたりがうまくクリアできることも、フリーランスになる重要な要素かもしれません。
月曜日に「仕事行きたくないな」と自分に思わせないこと。いつも楽しく仕事に向き合える環境を作ること。それは「きちんと気を抜く」ことだと思います。
思う存分働くために、私は休めるときは休むようにしています。
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