デザインを作るのはデザイナーの仕事。これは間違いではありませんが、すべてを言えてもいません。
デザインを作る前に、「原稿」というものが不可欠です。
簡単に流れを書くと…
打ち合わせ・オリエンテーション
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原稿作成(お客様またはデザイナー・営業)
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初校出し(プレゼンテーション)
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2校~〇〇校
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校了(これでOK)
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印刷(下版)
かなり簡単に書きました。
実際には事前調査や校正・校閲作業や撮影・イラスト発注、度重なる打ち合わせがここに逐次入ってきます。
原稿の重要性
実は、この中で最も大事だなと思うのが「原稿」なのです。
デザインには必ず目的がありまして、そこにたどり着くための地図や羅針盤とも言えるものです。きっちりレイアウトされているものもあれば、走り書きで「やりたいこと」が書かれているものもあります。
ページ数や台割はコストに関係してくるので、できればボリューム感は押さえてほしいとは思いますが、関係性ができていれば相談しながらでも大丈夫です。
要は「伝わればいい」と考えていいでしょう。ただし、ここがブレるとデザイン制作はかなり難航します。「こんなはずじゃなかった」とかなり時間が経ってしまった後で声を聞くことも。
目的を達成するもしないも、この原稿で決まります。デザインの力でできることは実は限界があるのです。
原稿作成は共同作業
お客様(クライアント)はデザインのプロではないので、デザイナーがサポートしながら原稿を作ることが多いです。私の会社(印刷会社)は営業マンがあまり原稿を書かない風土があるので、2者で作ります。なので、デザインが出来上がった際の著作権も厳密には「デザイナーに帰属する」と言い切れない部分なのですね。
このあたり、お互いの権利や自由を守るための整備が必要だなあといつも思います。
相互のリスペクトがあれば案外うまくいくんじゃないかと考えているのですが、ちょっと甘いかな。
原稿から外れないように
そういうわけで、原稿を練り上げるのはある意味デザインよりも大事です。
できれば、完成度の高い原稿を作ってそれを礎に最終工程までいければ最も効率的です。貴重なクライアントの時間を奪うこともないし、私たちデザイナーの心労もありません。ただ、一つの力学で進むことはめったになく他の部署や社内のキーマンの一言で風向きが変わることはけっこう多い。
「社内の調整はちゃんとやっておいて欲しい」とはなかなか言えませんね。
で、今日もまた、校正のやり直しです。年末進行で今は目が回る忙しさ。
ぶつぶつ言いつつ、仕事をいただけるのはありがたいことです。
クライアントの皆様、これからもよろしくお願いしますね。