デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

同時併売率 おむつとビールは同時に売れる?

風が吹けば桶屋が儲かる」は落語の一説でしたか。

一見、関係のないような事柄が私たちのあずかり知らぬところで関係していることの喩え。マーケティングとは簡単にいうと「どうやったら物が売れるか?」という学問なのです。身も蓋もない言い方で、その道の方には失礼千万かもしれませんが。

そのマーケティングの話でよく出てくるのが「ビールを買った人は、おむつを買う確率が高い」というもの。これに関してはアメリカで現実にあったことらしいのですが、「なぜか?」の答えが用意されていません。

えーっ、そんなことってあります?でも理屈ではわからないことのほうが多いのかもしれませんね。案外。

 

同時併売率

で、ちょっと調べたらこの「おむつとビール」のような同時購入確率のデータの出し方が見つかりました。なかなか面白いので載せてみたいと思います。

同時併買率=「おむつとビールの両方を購入している人」/「おむつを購入している人」

 となります。例えば、おむつ購入者が100人、ビール購入者が50人、両方購入者が10人とした場合、「両方購入者10人÷おむつ購入者100人=同時併買率10%」となります。ただし、基準商品をビールとすると、「両方購入者10人÷ビール購入者50人」という式になり、同時併買率は20%となる。つまり、おむつ視点で見た方が併買率は高くなり、ビールと絡めた販促ではより高い効果が望めると見えてしまいます。このように基準商品をどちらにするかによって率が変わってくる点は、1つの商品の同時併買分析を行う上での注意点です。

 一方、今回取り上げる複数商品間での同時併買分析は、基準商品をどちらかに設定するのではなく、「ある2つの商品が一緒に購入されることが多いか少ないか」を分析するもの。同様におむつとビールを例に式で表すと、

同時併買確率=「おむつとビールの両方を購入している人」/「おむつまたはビールを購入している人」

 となります。それぞれ先述の人数を式に当てはめてみると、「両方購入者10人÷おむつまたはビール購入者140人(おむつ購入者100人、ビール購入者50人から重複する両方購入者10人を減じた数)=同時併買確率約7.1%」となります。この値はおむつから見ても、ビールから見ても同じで、シンプルにおむつとビールが一緒に買われる確率は約7.1%と示せる。つまり、商品カテゴリー同士が「一緒に買われやすい」もしくは「あまり関係がない」とひと目で分かるようになり、結び付きの強さを客観視できるというワケです。

 

結局はわからない

これは単に「両方を買う人の確率」の出し方です。実際には、何と何をどのように売ればいいかなんて「祟るも八卦、当たらぬも八卦」ですが、そうもいっていられないのでマーケッターは今日も見えない因果関係を探っているのです。

たいへんですね。AIが普及するとこのあたりも、もっと明確になるのかな?

楽しみなような、ちょっとつまらないような。