デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

誰もができるデザイン 「婚姻届に判を捺しただけですが」を見ていて

今、楽しみにしているテレビドラマがあります。「婚姻届に判を捺しただけですが」という火曜日10時からTBS系でやってるやつです。

私、最近かな、脚本をけっこう気にしてドラマを見ています。セリフ回しのいいドラマはだいたい面白いなあと、当たり前のことを今さら思ったり。この前は「ウチの娘は彼氏ができない」を楽しみにしていました。

いや、まてよ。脚本もそうだけどデザイナーや作家が出てくるドラマが好きなのかもしれません。感情移入しやすいのが要因かなあ。

 

業界あるある

医療ドラマが放映されると「いや、現場はこんなじゃない」とか「医者はこんなことしない、ぜんぜんわかっていない」という医療業界側からのコメントが聞かれたりしますね。「婚姻届~」でもデザイナーが出てきますが、この業界はどうなのでしょうか。

私の印象では、ドラマを見ていて違和感はあまり感じませんでした。劇中で出てくる「チラシデザイン」や「ロゴデザイン」がちょっとチープで、「ああ、美術スタッフがこしらえたのかな?」という部分はありますが。

 

デザイン業界の今

私はデザイナーと言いつつ印刷会社のインハウスなので、ドラマのようなデザイン事務所と全く同じというワケではありません。劇中に出てくる「独立」もそれほど身近にはないし。

それでも一応デザイナーの端くれとして語らせてもらいます。

もう、「デザイン」は特殊な人がおこなう作業ではなくなってきています。

以前は、美大・芸大・専門学校を出た人たちが就く職業で、「ザ・クリエイティブ」でありました。

が、今ではパソコンと普通の制作ソフトがあれば誰でも気軽にできてしまいます。

(ドラマでも獣医さんの卵がチラシを作っていました)

ソフトはサブスクとかもありますしね。素材も無料なものがたくさん使いたい放題。ちょっといい素材でも、リーズナブルに入手できます。

コモディティ化しているといえばそうですが、業界全体がデフレを起こしている状態ですね。多くのデザイナーも薄利で仕事しています。

 

開かれたデザイン業界

厳しい状態ではありますが、決して「よくない状況」とも思っていません。

漠然と「日本がもっとデザインコンシャスな国になればいいな」という勝手な想いがあるからです。専門家の主導権が危うくなるというのは一見「レベルが下がるのでは」と危惧しますが、そこには今までにない「新しい発想」が生まれる可能性があります。私たちオジンデザイナーが気にしていた「文字組」とかをはるかに超えた「新しい価値観」が見られるのは脅威とともに楽しみでもあるのです。

あと、ライバルが多いほど燃えるというのもありますね、僭越ながら。まだまだ負ける気がしないもの。

 

そんなことを、ぼーっとドラマを見ながら思っていたワケです。

では。