軽・中度難聴者向けの補聴器「メディカルリスニングプラグ」<MH-L1-B>は、デジタルガジェットのようなイメージ。ワイヤレスイヤホンと兼用で、通話用マイクを使ってハンズフリーの通話もできる。仕事中に音楽を聴いているように思われないよう、通常のオーディオ系のイヤホンよりも落ち着いた外見にすることにも注意した。「2021年度グッドデザイン賞」のほか「CEATEC AWARD 2021」の要素技術・デバイス部門でグランプリを受賞
人にやさしいとは
補聴器を着けている人の気持ちは、着けている人にしかわかりません。でも、そこに想像力を働かせることはできるはず。
小さく、色もベージュにして「なるべく目立たせないように」という配慮もやさしさですが、そこに固執して想像力がストップしてしまうのはあまりよろしくないなと。この製品を見て思いました。
国内に軽・中度難聴者を含む難聴自覚者は推定で約1400万人いますが、実際にはそのうち約14パーセントの人しか補聴器を使っていないことからも問題が単純でないことがわかります。
まったく逆の発想ですよね。今、電車の中を見渡せばイヤホンを着けている人がたくさんみえます。その中でこれは「なじむデザイン」になります。着けているのに抵抗感が小さいのは容易に想像できますし、実際に音楽も聴けるワケですしね。
いいですよね。「ポジティブなやさしさ」とでもいうのかな。
名前を変えよう
まず、「補聴器」という名称がよろしくない。いや、もともとは「名は体を表す」なのでこれでよかったのですが、この製品の誕生によりちょっと違った視点で見られる可能性が出てきました。「音楽を聴いたり、周りの音を聞きやすくするサウンドデバイス」もしくは、「ビジネスシーンで役立つデジタルガジェット」というような意味の名称がふさわしいかなと。こう書くと、なんだかすごくかっこいいものに思えてきます。
もうシャープは考えているのでしょうけど。
私も使いたい
結局は他人事でなく自分事として考えるのが正解なんですね。
私も不自由というほどではないにせよ、人の話が聞き取りにくいなと思うことはあります。私の親がまさにそうですし、また自分も今後加齢による不自由さを感じる可能性もあるのです。
このシャープの製品、希望小売価格は両耳で9万9800円(非課税)に設定。10万円を超えないようにして、保険適用外で購入に悩む方の懐にもやさしいということで「本当によく考えられているんだ」と感心」するばかりです。