デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

配偶者のことは妻と呼ぶべし ~ジェンダーについてほんの少しだけ~

みなさん(男性・既婚)は、人との会話で配偶者のことを何と呼びますか?

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私は自分の配偶者に「妻」と言うように注意されました。

ぜんぜん違う件でケンカしていた時でした。

あまり意識したことがなかったので最初は面食らいましたが、どうやら私がジェンダー問題の地雷を踏んだようなのです。

「いつかの時に、あなたは自分のことを家内と言った」というわけです。

 

「妻」以外に呼び名はない

「家内」は家の中にいる人という意味なので、「女は家の中にいて家庭を守るものだ」という男性の思い込みというか強制を感じるのかもしれません。

他の言い方だと「奥さん」がありますが、これも「家の奥にいる人」という意味があるのでダメです。

「嫁」も文字のつくりが家なので同じくNGですね。「ウチの嫁が…」なんて古い会社で部長とかが言っていそうですが。

「おかみさん」語源は上からきているのでいいのですが、くだけた感じになってしまうのがもったいないですね。「江戸時代か!」とつっこまれそう。

 

あと何かあります?「ワイフ」か。これはさすがにないですね。ジェンダー問題以前にこれがスンナリ言える人はかなりなダンディさんです。

というわけで、どうやら我々男性陣に残された呼び名は「妻」以外なさそうです。

では友人や同僚の配偶者の呼び名はどうしましょう?「お連れ合い」かな。

上司の場合は?うーん「奥様」以外思いつきません。

 

ちなみに、私の妻の情報源は朝のテレビのワイドショーのようです。ふう。

 

新解さんの謎

新解さんの謎」という傑作エッセイがあります(赤瀬川原平著)。新明解国語辞典というちょっとクセの強い実存する辞書について、痛快で滋味溢れるコメントが満載です。

普通、辞書を作るならどんな人が使ってもいいように「言葉の多数決」を意識するものですが、新明解国語辞典の編纂者はかなり個人的な想いをぐいぐい入れています。

例えば

 

【白桃】身の肉が白い桃。果汁が多く、おいしい。

 

と書かれています。

おいしいは個人的な問題だと思います…。反対意見はありましょうが、こういうなんだか憎めない辞書が新明解(新解さん)なのですね。学生時代に使っていた人は案外多いと思います。

その中での新解さんの「女性観」が興味深いのですが…。

 

【おんな】①省略②一人前に成熟した女性。[やさしい心根や優柔不断や決断力の乏しさがからまり存する一方で、強い粘りと包容力を持つ] 

 

かなり新解さんの理想が入っています。もしかしたら最新版ではジェンダーの観点から改定を余儀なくされたかもしれません。でも、これが女性蔑視につながっていると考えるのはちょっと短絡的で過剰な気がするのですね。

 

 

なにが幸せなのか

今回の記事は(女性の目に入ることもありますので)若干歯切れが悪い感じになったかも。

私も基本的に男女平等でありたいと思っていますし、男の考えを押し付けようなんて微塵も思っておりません。ただ、例えば新解さんの表現を擁護するなら、「性差ではなく、性の違いとしてそれぞれ特徴があるよ。得意・不得意があるんだから助け合っていこうね」と読みたくなるのですね。

「奥さん」と言われて腹が立つ気持ちもわからなくはないですが、言葉はしょせん「器」ですから、そこに過剰に反応することが幸せなんだろうか?と。

 

確かにまだ日本の社会は男性が表舞台になる傾向があるし、しくみが古いとは思います。その片方で男性を矢面に立たせて、うまく立ち回る女性の存在もあります。

なにが幸せなのかはここでは申し上げられませんが、SDGs等の地道な活動で少しづつでも誰もが納得できて快適な社会が実現できたらと望みます。