テレビを見ていて「おもしろいな」と思うツボは、人によって様々です。妻と私では笑う箇所が違いますし、娘の方がどちらかというと私に近いですが、それでもズレみたいなものはあります。
テレビの特性として、「人が笑っているから、これは面白いんだ」と自分も笑ってしまうということがあります。これはインターネットにはないものですね。
私が子どもの頃は、お茶の間でテレビ1台だったので親の観る落語や演歌に触れる機会があり、ツボは広がったと思います。テレビってモニターじゃなくて案外、隣の人の顔を見ているんです。
テレビ番組を作っている人たちは
テレビ番組を作っている人たちは不特定多数の人たちに向けて視聴率を上げる必要がありますから、どうしても最大公約数的なコンテンツになりがちです。
プラス、今ならコンプライアンスにも配慮しなければなりませんし、消費者団体の苦情・炎上も気にしなければならないところです。
座標としては、まったく逆の位置にあるYou Tubeや配信テレビにその座をうばわれそうなのも納得できます。
私としては今までテレビに楽しませてもらった恩義がありますので、応援したいという立場ではあります。
テレビ関係の過去の記事→ モニタリングが嫌いな理由 - デザイナー羊男の毎日
おもしろさが予定調和になっていく
ここ最近観たテレビですごく笑ったのが、「 マツコ&有吉 かりそめ天国 」。面白かったのはマツコでもなく、有吉でもなく、「もう中学生」でした。
豊洲市場の現場リポートなのですが、すし屋や卸業者、運搬トロッコのメンテナンスの人にかなりシュールなコメントやイジリを展開します。リポートされた業者の方々の困った顔がリアルで、思わず笑いが出てしまいました。
そう、「現場のヒリヒリした空気」を醸し出す「ちょっとヤバイやつ」が、今テレビを面白くしているんじゃないでしょうか。かつてのマツコも有吉もそういう立ち位置だったのですが、今は向こう側(テレビ制作)の人になってしまいました。
もちろん、テレビですから進行役は不可欠ですし、ツッコミのポテンシャルは衰えていないと思います。だから「もう中」も笑える。
ただ、「もう中学生」みたいな人が少なくなっているんじゃないかなと心配になることもあるのですね。
第七世代という呼び名も最近は聞かなくなりましたが、お笑いの若手ってメジャーになるとほとんど例外なく予定調和的になり面白さがなくなる。芸能界で生き残っていくのは、「ちょっとヤバイやつ」を排除して安定していくことなんですね。
サンデージャポンで見た太田光
そんな中、「ちょっとヤバイやつ」も「予定調和」も併せ持っているなと感じたのが爆笑問題の太田光。もと2ちゃんねるの創始者ひろゆきと「どちらが論破できるか」のバトルをしたのですが、太田あっさり負けるんです。秒で白旗。バカリズムなら真剣にやったでしょうね、これ。
でも会場は大笑いです。太田は本当にお笑いをわかっているし、実は常識人だと思います。こういう頭がよくて、「ちょっとヤバイやつ」がばれないように演出できる人がこれからのテレビを面白くするような気がするんです。
さいごに
テレビファンとして、いろいろ思ったことを書いてみました。
最初に書いたようにツボは人それぞれですので、あくまでも一個人の感想です。それにつけても、がんばってほしいな、テレビ。