ありがたいことに、毎日のようにデザインの仕事が入ってきます。パンフレット、ポスター、DM、WEB、動画、そしてもっと実利的なビジネスフォーム(個人情報を入れて完成する健診結果票など)。視覚障碍者にも見やすい設計がされたユニバーサルデザインという分野もやっています。
デザインは有料です
クライアント(お客様企業)は、デザイン会社または印刷・WEB会社に制作の対価としてデザイン料金を支払います。
デザイン料金は、「仕入れのない売上」。アイデアやスキルを売り物にするので料金のほぼ全額が利益になります(固定費や設備費はかかりますが)。不景気になると真っ先に削られるのがデザイン料金の悲しい運命でもあります。
ちなみに私の勤めているのは印刷会社で、デザインは「紙」や「インク」と並列に扱われることもあります。
誰でも手軽にデザインできる時代
そもそも「デザイン」って、実は誰でもできるのです。最近ではアプリケーションソフトのサブスク化が進んで、大企業でなくてもイラレ・フォトショくらいは持っている状況。材料もフォトストックやイラスト、無料のテンプレートがいくらでも入手できるし参考にしたければピンタレストも使えるし書籍もたくさんあります。
社内に「腕に覚えのある社員」「PCの得意な人」がいれば、ちょこちょこっとできてしまうのが、現在のデザインなのです。これホント。
余談ですが、かの有名な「いらすとや」の作者さんとは何度も一緒にお仕事しています。汗だくになって自転車で現れた彼も今ではメジャーイラストレーター。すごく面白いビジネスモデルを考えた若き才能に脱帽です。(これは後日ブログに書きますね)
わざわざデザイン費用を払う理由
では、なぜデザイナーに頼むのか?それはズバリ「信頼」です。
私たちデザイナーと一般企業の社員の違いは「プロ」か「アマ」か。それしかありません。作るスキル(手)はあっても、それが本当によいものかを見分けるスキル(目)は自信が持てないというのが正直なところかと。
今回はプロに任せたから大丈夫。と安心したいのですね。
「信頼」を「価値」ととらえるなら、私たちは絶対に信頼を汚してはいけません。私が他のことはさておき、デザインの質に非常に厳しいのは自分たちの立ち位置を守るためです。黒子に徹してもいい。絶対にがっかりさせたり質を落とすことがないよう襟を正す毎日なのです。
これからのデザイン
「デザイン」の概念も日々変わっていきます。「絵の得意な人」とか「手先の器用な人」が作るイメージは古き時代のものになっています。私が入社したときは、デッサンの課題がありましたが、今は昔ですね。
それでも核となる部分は案外変わっていなくて「いかに見る人の感情を動かすか」、それがデザイン。現場での印象としては、全体にコンテンツ寄りになっていて、ただ美しくまとめるだけではなく内容に踏み込んだコンテンツが求められています。
コピーを作ったり漫画や動画のコンテを描いたり、販促の企画を考えたりと、やることは増えていますがやっぱりデザインが大好きなので、死ぬまで続けていきたいですね。