デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

民主的に決めるデザイン

この話題はデザイナーなら必ず直面する、「悩み事」の上位に入ると思います。

お客様の社内で、デザインの評価や改善点を「チームのみんなで意見を出し合って決めましょう」というやつです。(ちょっと感情的になりそう。いかん。落ち着いて・・)

 

みなさんの意見が聞けるのは、むしろうれしいんです。「ああ、そんなふうに思ったんだ」という気付きがあるから。

でも、そのひとつ一つを全て取り入れようとするチームリーダーがいると話は別です。それはデザインとして成立しない。

もともと私は用件整理してターゲットを決めて、コンセプトを立ててというところからやっているんです。そしてそれに合わせたビジュアルとコピーを考えています。 

 

こんな言い方は失礼かもしれませんが、みなさんの「思いつき」とは違うんですね。

いや、みなさん他の大事な仕事があるじゃないですか。ここはある程度プロにまかせてください。どうしてこんなことを言うか?その方が絶対いいものができるからです。あなたたちの為なんですよ!ドン!(机たたく)

 

いかん。やっぱり熱くなっちゃった。

例えばこういうことです。

私がおまんじゅう職人で、商社に試作品をお持ちしました。「おいしいね」とみんなで食べたあと、リーダーが言います。「はい、みんな一つ以上意見を言ってください。羊さん(私ね)にすべて反映してもらうから。ね、羊さん。」

後日リストが渡されます。

・もうちょっと甘いほうがいい。

・果物が入っているとうれしい。

・今はやりの洋菓子みたいにしたい。

・大人っぽくて、和風なのがいいな。

・100年続く老舗の味。

・塩を利かせた一工夫できない?

 

私はどんなお饅頭を作ればいいんでしょう?(ま、別にお饅頭に例えなくてもよかったんだけど)

要するに人の数だけ意見ってあるし、「出せ」といわれればそりゃ出しますわな。

苦し紛れでも思い付きでも…。でもこれって誰も幸せにならないんです。

 

有名なデザイナーがよく言っていること。「いいものを作るには決定権を持つ人とクリエイターの信頼関係がまず大事」なんですね。そこができていないってことは、自分のやり方にも問題があるのかな?と矛先を自分に向けてがんばろう。