デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

呼び方について

これはたぶん個人的なこだわりじゃないかって思うのです。

抵抗のある呼び方があって、例えば「作業」という言葉を使いたくない、使われたくない時期がありました。

それは仕事について3年くらい目かなあ。それなりに一通りは仕事を覚えて、自分の力でデザインできるようになったころのお話。

なんだか肩に力が入っていて、「デザインでこの会社を、いやクライアントの会社を良くしてやるぜ」と息巻いていました。といってもそんなに実力がともなっていたワケではないので、自分というよりも「デザイン」に過度な期待を持っていたのです。若かりし自分よ、なつかしいなあ。そんな自分は実は嫌いじゃないよ。

 

そんな時代に、自分のやっていることを「作業」という言葉で片付けられたくない気持ちがあったのです。今でもその気持ちは鮮明に覚えています。

なんだか「作業」という言葉は、「単に手を動かす」ようなニュアンスに思えたのですね。「俺のやっていることは確かに手を動かしてはいるけれども、本当は頭の中でイメージを練っているのだ」ということが言いたかったんです。

いや、「作業」という言葉にそんな偏った意味なんてありませんし、勝手にニュアンスを感じ取って鼻息荒くなったってしょうがないのにね。

 

今となっては平気で「作業」という言葉を連発します。だって作業は作業だもの。

でも、そのあたりのこだわりってクリエイティブな仕事をしている人に多いんでしょうね。

単に「ロゴを作る」と言えばいいところを「ロゴの開発をする」といってみたり、「いろいろ作って試してみました」というところを「検証を重ねました」と言ったりね。

まあ言葉にこだわっている間に一つでもいいもの作れよと若い自分にも言ってやりたい気分なんですが。

 

そうそう、「チラシ」というのも抵抗があったことも報告しておきます。「チラシ」とか「ビラ」とか、なんか悲しい気がして。テキトーに撒かれてごみ箱に捨てられるイメージ?

ささやかな抵抗として「リーフレット」と言っていて、それ今でもときどき使っています。オイラもまだまだだなあ。