デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

最初に覚えたものを正解と思い込む習性 ~コソソメスープの謎~

動物は生まれて最初に見たものを親と思い込むと聞いたことがあります。

人間もそうなのかな?あまり詳しくない分野なので(詳しい分野のほうが少ない)よくわかりませんが、最初に覚えたものを正解と思い込む習性があるなあと最近思っています。

コンビニ人間」で芥川賞を獲った作家の村田沙耶香氏はコンソメスープのことを最初に見間違えて「コソソメスープ」と覚えてしまったそうです。その後、家族や友人の口からコンソメスープと聞いても、「それは本物のコソソメスープではなくて、ありあわせの材料で作ったまがい物」だと。「いつか本物のコソソメスープが飲んでみたい」というような思い込みをエッセイで書かれていました。

ああ、そういうのってあるなあ。

書くのが恥ずかしいのですが、私も「シンメトリー(左右対称のこと)」のことをずっと「シメントリー」と言っていました。歯に衣着せぬ部下の女性に「シメントリーですって。ハハハ」と笑われ、顔から火が出る思いでした。

バイオリニストの葉加瀬太郎氏も、破綻のことを「はじょう」と思い込んでいてずっと使っていたようです。彼の大学時代の友人である映画監督の細田守氏は「こいつ、バイタリティーはあるけどボキャブラリーがないな」と冷静に観察していたそうです。

 

他にもありました。

私の妻は、経理の仕事を何年もやっているいわゆる「数字に強い人」なのですが、バーゲンセールで「30%引きでそこからさらに10%引き」と聞くと「じゃあ40%引きだね!スゴイね」と間違った計算を平気でします。たぶんどこかのショップで店員さんが口走ったことを間違って覚えてしまったのでしょう。

じゃあ、50%引きのさらに50%引きはタダなのか?それこそ計算がはじょうしてしまうじゃないか。ま、ケンカになるからそんな言い方はせず「それは〇〇円になるね」みたいにやんわりと訂正するようにしていますね。

あ、もしかして私の目を気にして「安い」アピールをしているのか。それは悪かったですね、満足に買い物させてあげられなくて。墓穴を掘ってしまいました。