「山路問題」について ~サンプル文字の怖い世界~
山路を登りながら、こう考えた。とかくに人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。情に棹させば流される。
夏目漱石の「草枕」の一節ですが、これがいわゆる「サンプル文字」として使われているのですね。どういうことか?
まだ文章が固まっていないけれど、デザインのイメージ制作だけ先に進めたいときに「とりあえず」の文章を入れておくのです。こんな感じにね。
「○○○○」とか「××××」というやりかたもありますが、イメージがうまく伝わりません。そこで草枕登場というワケなのです。
この機能はAdobeイラストレータ(2017以降)に最初から入っています。テキストボックスを作った時点で(おせっかいにも)自動的に入れてくれます。本当に入れたい文字がある場合はこの草枕を違う文字に差し替えるという作業になるのです。
テキストボックスではなく、テキストツールでワンクリックするとどうなる?
「山路を登りながら」が自動的に打ち込まれるんですよ。これが世にいう「山路問題」。デザイナーさんが意図せずポチっとしたが故に「山路を登りながら」が画面に残ってしまうという…。ああ恐ろしい。
「なんのこっちゃ」なデザインの出来上がりです。
ここには載せませんが、「山路問題」でググればけっこう画像は出てくるんじゃないかな。
実はこの機能、簡単に解除することができます。
メニューバー「編集」→「環境設定」→「テキスト」の一番下のチェックボックスをオフにすればOKです。
ただしこの機能、孤立点(何の意味もないポイント)を発生させないためには有効なので私は解除していません。孤立点はトラブルの原因なのさ。
なので「山路問題」には気を付けたいと思います。
以上、本日はちょっと専門的なお話でした。
つまらないものですが… ~その2~
「つまらないものですが」でもう1話。
先日、娘の結婚式の「顔合わせ」というのがありまして。
新郎新婦の両親どうしが顔を合わせるという文字通りの「顔合わせ」。当人同士はすっかり仲良しですが、その親は「いったいどんなおうちの方なんだろう?」という興味がある。というか気になっちゃう感じですよね。そんなこんなを解消して「ま、いい関係になりましょう」という行事なんです。で、いきなり見ず知らずのお父さまお母さまと対面することになります。
結婚というのは(他人事みたいだけど)どこか奇妙なものだと思います。
娘はネットで「顔合わせ」の段取りやアイテムについて調べていました。
それをもとに新郎くんと入念な打ち合わせをしたそうです。
たとえば手土産に関して言えば、
・カステラなどの切って食べるものは縁起が悪いからNG
・おせんべいも割れるからアウト
・地元の名物は話題がはずむから推奨
・あまり重いものは持ち帰るのが大変だからNG
・バウムクーヘンは「年輪」を感じさせるから推奨
・すぐに食べるかわからないので日持ちのするものがよい
などなど。なるほどねえ。
渡す時には
「心ばかりですが…」と言いながら渡すのがよいとされています。
「つまらないものですが」は場との相性が悪いのでNGだそうです。
で、顔合わせ当日…
都内のとあるホテルおレストランでの会となりました。
両家とも始めての経験で、どこかぎこちなさが漂います。でもこういうときに緊張して行動がおぼつかなくなるのはたぶん私のほうがヒドイと思う。絶対に思う。
ダメなんだよなあこういうのホント。
まあそれでもなんとか一通り挨拶を済ませて、手土産を渡す段になりました。
私が先に渡しました。
「心ばかりですが…」
次に先方からです。
「つまらないものですが」
そう、別になんの問題もないのです。マナーなんてその場の状況で柔軟に考えればいいんですよ。後日談として娘は新郎くんに怒ったそうです。
「どうしてお義父さんに伝えてくれなかったの?」と。
なんでそんな形式にこだわるのかな?あの場では私のほうが「心ばかり」を使ったから、変化を持たせる意味で全然いいんだと思います。
まあ、うまく儀式を進めたいという想いが強かったんだろうと暖かい目でみていますが。
つまらないものですが… ~その1~
例えば、どこかに遊びに行って同僚にお菓子なんかのお土産を買ってきたとします。
渡すときなんて言いますか?
「お口に合うかわかりませんが…」
「たいしたものじゃなくて悪いけど…」
とかかな?それとも
「イヤー、楽しかったですよ。ちょっと渋滞に巻き込まれたけど」
といった旅行の感想かな。
日本人はこういうとき全般的に謙虚なんだと思います。
そこまで卑下しているわけじゃないけど、ことさらアピールもしない。奥ゆかしいですね。もし本当に口に合わなかったときに困らせない配慮もあるかもしれません。
私はこういうとき(なぜか)けっこう厚かましいので、
「これ、すごく美味しいからさ」
などと言いながら渡すことが多いです。あ、おもしろ系のお土産は別ね。
だいたい土産物を買う時すっごく迷うんですよ、私。
試食のできるものは極力するし、名物でおいしいと評判のものを(多少高くても)買うようにしています。だから、どうしてもその思いが渡す時に出ちゃう。
それにさ、「おいしいよ」って渡されるとホントにおいしいような気がするじゃないですか。錯覚かもしれないけど、世のおいしいって錯覚がほとんどなのさ。
おみやげもらった時は、間髪入れず「わーい」と喜ぶ。これも礼儀ですよね。
いや、本当にうれしいんだけども。
連休明けで、会社の机の上がにぎやかです。
みなさんおみやげ、ありがとうございました!
おいしくいただきます。
Amazonの表示を日本語に戻したいときの対処法
Amazonの表示が英語になっちゃったよ。こんな感じに…
「よし、この際だから英語をマスターしてバイリンガルになっちゃうぜ」
という前向きすぎるあなた 以外のあなたへ…。
困った困った、こまどり姉妹というあなたへ。
対処法を伝授しましょう。
まあこういうのって、ググればいくらでも(タラちゃんでも)方法が見つかるものですが、意外と決め手になるのがなかったりするのです。といってもこれがホントに決定打になるかは正直わかりませんので、だまされたと思って試してみてくださいな。
(ちなみにこうなる原因はわかりません。)
ではレッツラゴー!
①ピンク線で囲んだところをタップしてください。
するとこの画面になります。
②一番下の「English」をタップしてください。
ここでつい「JAPAN」を選びたくなりますが、ぐっとコラえてください。
するとこの画面になります。
③「日本語-JA」を選んでください。
ここがたぶん日本語以外になっていますので、変更します。
これで完了です。治りました。
対処方法は以上となります。
ちなみに②で「JAPAN」を選んでも日本語を選ぶ工程があるのですが、ここでは残念ながら治りませんでした。
お役に立ちましたら、うれしいです。
では。
ゆでたまごをきれいにむく方法
テレビでは毎日のように100均ネタやっています。コストコが終わると100均、そして無印良品の繰り返しで、「これね、知ってる」というものが増えてきました。
ひな壇のタレントさんだって絶対知ってると思うけどクイズではうまくはずすし、いかにも今知りましたって感じで「へーっ。これは欲しいな」ってなもんです。
そりゃそうか。
でも、本当に「これ便利だなあ」というのが意外に登場しないのも不思議な話でして。
ワタクシの最近のヒット商品をご紹介したい。
ところでゆでたまごをむくときに、新しい卵ってうまくむけずにイライラしたことないですか?茹でるときに塩を入れたり、茹でてからバリバリに割ったり…。どれも抜本的な解決ではありませんよね。
そこで、これです。(ドラえもん風に)
卵の穴あけ器~
わざわざ使用方法を書くまでもないのですが、写真入りで載せます。
なぜならめっちゃキレイに剥けて感動したから。
パックから出すとこんな感じです。上の部分をくりっと右に回すと安全ロックがはずれて準備OK。(後ほどこの穴から針が飛び出します)
卵の下部分をくぼみにあてて、下に押し下げます。
小さな穴が開きました。本体の針が飛び出して卵に穴をあけたのですね。
5分間、水の状態から煮ていきます(固ゆで)。
火を止めて、しばらく放置。エントロピーの法則によりお湯の熱が卵に移ります。
エネルギーを無駄にしないようにね。
(この工程は殻の剥きやすさとは無関係なので飛ばしてください。)
さあ、あとはゆっくりと剥いていくだけです。最初だけ気を付ければ、あとは薄皮からきれいに剥けていきますよ。今までの苦労がうそみたい。
きれいに剥けました。殻もあまりバラバラにならないので後始末も楽ちんです。
以上です。
でもなんで穴開けただけでこんなに剥きやすくなるんだろう?殻と薄皮の間に空気が入るからかな?
もし
「今困っている」
「卵の皮むきに興味がある」
「今晩のおかずはおでんを考えている」
という方がみえましたら、ダイソーへ108円持って走ってください。
では。
創作料理あるある
創作料理と銘打っているお店で、おいしいものを食べた記憶がありません。
食べたあとに「あ、これ創作っぽいな」というのなら美味しいお店はありますね。KIHACHIとか。
料理ってそんなに思いつきで「美味しいもの」はできないと思うのですよ。どんなものでもある程度の定着期間は要るし、新しくできた料理でいきなり「おいしい!」というのもなんかおかしいでしょう?そういう意味では料理にも社会性が必要だとどこかのブログで読みました。うん、確かにそうだな。
あと今までに何万通りという料理が作られてきたことを考えると、美味しいと言われる組み合わせはその歴史が証明しているともいえそうです。数年シェフをやった人が思いついたもので驚くほどおいしいものが何種類もあるはずないでしょう。
結局は「きちんと出汁をとったお吸い物」にかなうものなんて少ないと言えばわかりやすいかな。
ま、私の思いはそのくらいにして。
いかにも創作料理で使われそうなアイテムを羅列してみましょう。
金箔をかける
これホントに興ざめします。どんなイイお店でも金箔がかかっていたらすべての料理がごまかしに見えてきます。
ウニをはさむ(乗せる)
フォアグラという場合もあります。高級な食材どうしを合わせることで高級感を無理やり醸成するのはいかがなものか?だいたいマッチしていないし、別々で食べたほうがよいことが多いですね。
バーナーで焦がす
最近はスイーツでもあります。お寿司屋さんでバーナーが出てくるとなんか格が下がったような気がするのは私だけ?
パイで包む
本当に美味しいお店なら文句ないのですが、創作料理と銘打ってるお店だとパイ生地も出来合いのものだったりするので。
生卵乗せる
すごく多いパターンですが、工夫がないですよね。「結局いちばんおしいいのは卵なのかい」と突っ込みたくなります。
岩塩で食べさせる
これも最近増えてきたなあ。素材の味を活かしてということなんだろうけど。物珍しさだけなら普通に味付けしてくれたほうが有難いです。
他にもあんかけにするとかカレー味にするパターンもありますね。
まあ、なんにせよ自分から創作料理の店には積極的に行きたくはありません。
デザイナーの職業病 「こだわり」の話
ドライフラワーに関しての発言はけっこうインパクトあったなあと。
驚きましたかね、これ読んでる普通の方は。
読み返してみて、自分でもちょっと異常なくらいに「美観」や「物事のありかた」にこだわりを持っていることに驚いています。
あと、「意味のないもの」や「矛盾しているもの」に対しても厳しい目で見ている気がする。あ、受け入れないということではありません。
そうなんです。自覚はあるのです。ただデザイナーみんながそういうわけではありませんので誤解なきよう。
ですから、街を歩いていてもいろんなものが気になります。
・このポスターはなぜこのフォントを使っているのか?
・なぜここまでインテリアにこだわったカフェのメニューがこれなんだ?
・このサイン計画は人の動線を全く考えていない。
などなど。
もちろん、いちいち指摘して回っているわけじゃないけど、あきらかにちょっと違う価値観を持っている人間につきあう人はかわいそうなのかもしれません。
一緒に生活している妻などは自宅の雑貨や家電をひとつ買うにも気を遣うので、たまに「いやになる」とこぼしています。ホントごめんね。
でもこういうのって他の職業の人でも少なからずあるんじゃないかなあ。
クルマ好きの旦那さんや、料理好きの旦那さん。洋服の好きな人やエステにはまっている人も。それが職業ならなおさらです。
まあ、だからといって「それでOK」ではなく、自分なりに気を付けてはいるのです。
「こだわる」って漢字で書くと「拘る」。もともとあまりいい意味の言葉ではなかったはずです。了見が狭いとか人間として緩やかさがない証拠でもあります。
いつのまにかいい意味でも使われ方が主流になっていますが(こだわりのラーメンとかね)、自分のこだわりが強くなりすぎないように気を付けたいなともおもっているのです。