「つまらないものですが」でもう1話。
先日、娘の結婚式の「顔合わせ」というのがありまして。
新郎新婦の両親どうしが顔を合わせるという文字通りの「顔合わせ」。当人同士はすっかり仲良しですが、その親は「いったいどんなおうちの方なんだろう?」という興味がある。というか気になっちゃう感じですよね。そんなこんなを解消して「ま、いい関係になりましょう」という行事なんです。で、いきなり見ず知らずのお父さまお母さまと対面することになります。
結婚というのは(他人事みたいだけど)どこか奇妙なものだと思います。
娘はネットで「顔合わせ」の段取りやアイテムについて調べていました。
それをもとに新郎くんと入念な打ち合わせをしたそうです。
たとえば手土産に関して言えば、
・カステラなどの切って食べるものは縁起が悪いからNG
・おせんべいも割れるからアウト
・地元の名物は話題がはずむから推奨
・あまり重いものは持ち帰るのが大変だからNG
・バウムクーヘンは「年輪」を感じさせるから推奨
・すぐに食べるかわからないので日持ちのするものがよい
などなど。なるほどねえ。
渡す時には
「心ばかりですが…」と言いながら渡すのがよいとされています。
「つまらないものですが」は場との相性が悪いのでNGだそうです。
で、顔合わせ当日…
都内のとあるホテルおレストランでの会となりました。
両家とも始めての経験で、どこかぎこちなさが漂います。でもこういうときに緊張して行動がおぼつかなくなるのはたぶん私のほうがヒドイと思う。絶対に思う。
ダメなんだよなあこういうのホント。
まあそれでもなんとか一通り挨拶を済ませて、手土産を渡す段になりました。
私が先に渡しました。
「心ばかりですが…」
次に先方からです。
「つまらないものですが」
そう、別になんの問題もないのです。マナーなんてその場の状況で柔軟に考えればいいんですよ。後日談として娘は新郎くんに怒ったそうです。
「どうしてお義父さんに伝えてくれなかったの?」と。
なんでそんな形式にこだわるのかな?あの場では私のほうが「心ばかり」を使ったから、変化を持たせる意味で全然いいんだと思います。
まあ、うまく儀式を進めたいという想いが強かったんだろうと暖かい目でみていますが。