デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

ほぼ日の素因数分解 ~原寸大動物園~

文字通りほぼ毎日のように、「ほぼ日」を見ています。

 

ビジネスとしていろんな賞を受賞していたり、世間の評価が高く株式上場も果たしていることから、私のようなチンピラが正当な評価ができるわけもありません。だから極力控えめにその魅力を考えて書いてみたいと思います。

 

すごくフラットでリベラルで、老若男女誰もが楽しめるコンテンツをコンスタントに出し続けることは本当にすごいこと。ただし、そこには何か一つの「クセ」というか「味わい」といおうか、ま、とにかくそういった独特の考え方があることは確かなのです。

それは、ほぼ日ファンと言われる人がほぼ一定のトーン(特性)を持っていることからもわかる。

 

その要因は、ズバリ社長の糸井重里にある、ことは間違いありません。

いや、言いきっちゃいけないんだ。そう思われます。

23年も続けているから、すでに糸井メソッドを取り入れたブレーンは育っているはず。彼らが第二の糸井重里としてこれから活躍することも、ここでは便宜的に「要因としての糸井重里」として考えてみます。(彼らにの実力やアイデアはもちろんすごいことと評価したうえでね)

 

どうしてほぼ日がこれだけ魅力的なコンテンツを量産できるのか?

 

糸井重里のルーツをたどるとそこにはコピーライターという職業があります。

それはもう説明も不要なくらい超有名で「時代の寵児」とまでいわれた方ということは、みなさんもご存知でしょう。

 

コピーライターという職業は、「なんかうまいこと言う仕事」として認知されている方が多いのでは?実際に世間に表出するのが「コピー(文章)」というカタチなのでそう思われるのも仕方ありません。。

でも、そんなキラキラした仕事でもないのですね。もちろん、キラキラした部分はあるし、そこも大事な面ではあります。

ただし、そこ(キラキラ)に行きつくまでには、調査や視察、インタビューといった地味で地道な作業が存在しています。

そしてコピーライターのもう一つの側面として、商品の見せ方を企画するということがあります。今まで一般の人々が考えもしなかった使い方や切り口を見つけてプレゼンするということです。そして時には商品開発自体にも参画する。

こういったことを最終的には「ことば」に落とし込むのがコピーライターという職業なのです。

 

私が考えるに、糸井重里氏は言葉(コピー)になる以前の工程をコンテンツ制作に活かしているのではないかと。ほぼ日サイトにも「コピー」のようなものがたくさんありますが、それらを素因数分解したものがコンテンツになっていると感じたのですね。

 

先日まで渋谷パルコでおこなわれていた(見逃した!)展示もそうです。

「原寸大動物園」

動物のイラストを人気のイラストレーターが描いて展示する。

でもそれだけじゃつまらない。そこに「原寸大」というワードが入ることで、コンテンツはぐっと面白く興味深くなります。キリンやクマが原寸で…。

想像するだけで見たくなりませんか?こういう企画の手法は意外と他ではやっていないのでほぼ日の独擅場になるのかもしれませんね。

 

やっぱすごいな、ほぼ日。