デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

Think different アップルの企業キャッチコピー

デザイナーさんのブログを読んでいて、昔のアップルのキャッチコピーを思い出しました。21世紀になる前のものです。

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直訳すると「違うを考えなさい」、意訳すると「発想を変えよう」。

文法的には間違ってるんじゃないの?と言われますが、あえてそうしてるアップルの意図があります(そういえばソニーも「Its a Sony」という間違った文法のコピーを採用していました)。

これには長いボディコピーがあって、この考え方は現代でも全く色あせずに通用するものだと思います。長いですが引用します。

クレイジーな人たちがいる。厄介者、反抗者、トラブルメーカー。四角い穴に向かって丸い杭を打つ人たち。
違った見方で物事を見る連中。彼らは規則を嫌う。現状維持なんて、まるで考えていない。彼らの言葉を引用することもできれば、反対することもできるし、彼らを捲し立てることも、見下すことだってできる。
おそらく唯一あなたができないことは、彼らを無視することだ。彼らは物事を変えてしまうのだから。彼らは発明し、想像し、癒し、探求し、想像し、ひらめきを与えるのだ。そして、人類を前進させる。
彼らはクレイジーにならざるを得なかったのだろう。
その他に、空っぽのキャンバスに芸術作品を見出す方法はあるのだろうか?もしくは、沈黙のなかで、誰も聞いたことがない音楽を書くことができるのだろうか?そして、赤い惑星をみつめて、車輪付きの研究室を考え出す、そんなことができるのだろうか?
私たちは、そういう人たちのために道具を作っている。
彼らをクレイジーだと言う人もいるのだけど、私たちは天才だと思う。世界を変えることができるのだと考えているほどクレイジーな人たちが、本当に世界を変えてしまうのだから。
そういうことで、人生はとても限られる。たった一つシンプルな事実に気づくことができれば、人生はずっと可能性が開けることになる。それは、あなたが人生と呼んでいるすべてのものは、あなたより賢い人たちによって作られているというわけではないということだ。あなたがそれを変えることができるし、影響を与えることも、そして、自分のものを自分で作ることもできるし、また別の人たちに使ってもらうことだってできるのだ。

アップルのターゲット(この言い方はしっくりきませんが)は時代によって変わってきました。それでも、単にデバイスを売るのではなく「理念」を形にしているところに人々は共感していたはずです。少なくとも私はそういう企業だと思っていました。

最近は機能やスペックを前面に出した広告が目立ちますが、その本質は変わっていないのだと思いたい。新しいiMACを見たときに「まだ大丈夫だ」と私には映りました。

けっしてニッチなもの、アンダーグラウンドなものがよいわけではありません。

人を自由にするもの、発想を変えるものがあれば、例えばそれがコンピュータでなくてもよいのかもしれない。PIXARを立ち上げたジョブズのようにね。

まあ、いつまでもジョブズの亡霊を見ていても進歩がないので、自分のできることで発想を変えていきたいなと考えています。