デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

デザインツール アドビイラストレーターについて ~愛すべき私の相棒~

今回はかたよった業種の話になるので知らない人には「なんのことやら」かもしれません。あ、でもデザインって案外身近にあるのでそうでもないのかも。

とにかく始めます。

 

アドビのイラストレーターというソフトが好きです。

初めてこのソフトに出会ったのは、30年くらい前。その時のデザイナー御用達は、アルダス・フリーハンドというソフトとこのイラストレーターで双璧をなしていました。

今でも初めてさわったときの感動は忘れられませんし、基本的な機能や使い方は現在のCCでも変わっていないと思います。

何が感動したかって? 円が信じられないくらいきれいに描けたから。

この感覚はアナログからデジタルへの変遷を経験していない人には理解できないでしょうね。DTP(パソコンによる版下作成)以前のデザインの現場は、筆やロットリングペン、烏口という筆記具で図形や文字を描いていくアナログなものです。

きちんと線が引けるまで何年もの修行が必要な世界です。

円を描こうとしたら、コンパスに先ほどの筆記具を装着してケント紙に描いて中を筆で塗ります。それを大型カメラやスキャナで撮影して「版下」を作っていくのです。

半径5cmの円を描こうと思っても、筆記具の先の太さを計算しなければなりませんし、できあがった円をルーペで見れば当然ですが「ヨボヨボ」しています。

 

いっぽう、イラストレーターは半径5cmの円が信じられない精度で描けるのです。なんの熟練もいらず、一瞬で理論的な円が描ける。これだけで、イラストレーターは私にとってなくてなならないツールとなりました。

 

もちろん他のグラフィック・編集系ソフトも使いますし、場合によってはエクセルやパワポでもデザインを起こします。でも、自分のルーツ(根っこ)はイラストレーターで最初に描いた「円」だと思っています。

 

この「カチッとした」持ち味を生かします。

このソフトが出始めの頃、やたらと凝ったデザインが流行りました。むやみにシャドウ(影)を入れたり、グラデーションを多用したり、ソフトの機能をてんこ盛りにしたようなデザインです。私はデザインに関しては、昔から一貫してシンプルでモダンなものが好きなんです。文字もヘルベチカみたいなスイス系のカチッとしたものが好み。

こういう凝ったデザインは、「どうだ、すごいだろ」っていってるだけのような気がして。本来のプリミティブな感動とはなんか違うと思うのですね。完全に私見ですが。

クライアントには受けがいいのか、しばらくは流行っていたと思います。

ここ数年でwebでも「フラットデザイン」がもてはやされるようになり、「ああ、私は間違っていなかった」と意を強くしたりしていました。

これはデバイスのモバイル化(スマホへの移行)が関係していますので、単純に好みの問題だけではありません。とても興味深いお話なので、これについてはまた書きたいですね。

 

読みづらくてスミマセン

あまり見慣れない用語が満載で、読みにくかったらすみません。

なんとなく、いつも使っているソフトについて書いてみようかなと思いついてしまって。

デザインって歌舞伎でいう黒子みたいなもので、主役は文章や写真・イラストといったコンテンツだと思っています。「どれだけ自分を消せるか」がポイントだとも。

そこまで控えめになっても、強い志は忘れずに楽しんでいきたいものです。

では。