奇しくもつい先日これと同じような記事を書いていました。
これです。なんとなく感覚的に書いていたけれど、こういう理論に基づいていたんだなあと妙に納得しています。
自分の持っているものや一度手に入れたものを失うことと、無料でもらえたり安く手に入ったりすることが天秤にかけられたときに正しい判断ができるか?ということがテーマです。
資料には私がこしらえた喩えよりも優れたものが載っていました。
1000円もらえるの?1000円とられるの?
A「無条件で1000円もらえます」
B「じゃんけんで勝ったら2000円もらえます。
負けたら0円です」
あなたならどちらを選びますか?
そうそう、この例のほうがわかりやすい。
本当に得なのはBなんです。
Aは無視してBだけを見てください。負けても0円なのに勝ったら2000円もらえるんだから。
でも行動経済学では「1000円もらえるかもしれない」と思った瞬間にその1000円を失うリスク(危険)を回避しようとするのです。
飲料代+ビン代
もう一つたとえ話を。飲料のボトルをリサイクルする際のお話です。
A 価格100円で販売して、空き瓶をもってきたらその瓶代10円を支払う。
B 価格を「飲料代90円+瓶代10円」と表示して販売、瓶をもってきたら瓶代10円を返す。
もうおわかりですね。Bの回収率は70%となったそうです。
瓶を返さないと40円「失う」というリスク意識が生まれたのです。
これは本当にあった例らしいですが、これをみてもナッジ理論がマーケティングで非常に有効なものだと思いますよね。
今まで無料だったものが、もらえなくなる?
厚労省の資料では「大腸がんのリピート検診」の受診率を上げるためにこの理論が使われています。案内書への記述の違いをご覧ください。
A 検査を受けると、来年も検査キットを送付します。
B 検査を受けないと、来年検査キットを送付できません。
書き方を変えただけなのですが、Bは「今まで享受していたサービスを受けられなる」というリスクを感じるものになっているのです。
これにより7.2%受診率が変わったことが実例として挙がっています。
こんなふうに数字で示されると説得力がありますよね。
う~ん。これは参考になるなあ、ホント。