これ、知ってます?
オモチャなんですが、ゲーム要素が強い「黒ひげ危機一髪」です。私が子供の頃からありますが、今でもほとんど形を変えずにあるのですね。似たようなので「いたいワニ」というのもあります。ルールはまったく同じ。
要するに、「どれか一つを選んで、失敗すると痛い目に合う(負け)」というゲームなんです。
黒ひげ→ある一か所、剣で刺すと黒ひげ船長が飛び出す
ワニ→歯のどれかを押すとガブっと噛みつかれる
ワニのほうが実際の痛みを伴うので、ドキドキ感は上なのかな?
あ、でも剣で刺すのも道具立てがあるのでそれはそれで…。
さあ、あなたはどっち??
共通点はリスク
で、この2つの共通点が「人はリスクを嫌う」ということに根差していることなんです。古株は「黒ひげ危機一髪」で、もともとのルールは逆でした。
そう、なんと剣を差して黒ひげ船長を飛び出させたほうが「勝ち」というルールだったのです。そういえば、そのほうがストーリー的にも整合性がありますよね。
でも、それではあまりドキドキしないのです。
「やったあ!」よりも「しまったあ!」というあの感じが心に響く。実感としてなんとなくわかりますよね。
成功よりもリスクを回避するほうを選ぶ傾向
サイコロをふって「10000円儲かる」もしくは「5000円とられる」というギャンブルがあったらどうしますか?出目の確率は50%とします。
普通に考えたら条件的には有利なはずです。負けても半額なのです。パチンコや競馬よりもよっぽど率がいい。でもほとんどの人は賭けないでしょう。
そこにはもともと人が持っている「損をしたくない」「失敗をしたくない」という感情が働いているのですね。これは極端な例ですが、似たようなことはけっこうあるような気がします。
デザイン案も慎重に
デザインの案出しを複数提出することがあるのは前に書きました。私としては「冒険だけどすごくジャンプする可能性のある案」を意図的に入れています。ざっくり見て10%満たないくらいですね、これが選ばれるのは。理由は、「おもしろいけど、リスクがあるから」「あんまり見たことがないのは不安だ」というものです。
その気持ちは私もよくわかるので「あ、そうですか。ですよね。」とあまり深追いしません。「では他の会社様にご提案しようかな」とつぶやくと「あ、ちょっと待って」というような目で見られます。まあ、いろんな立場があるのでしかたないのでしょうけど、リスク回避ばかりでも前に進まなかったりしますから難しいところですね。