デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

ボツ案は作るべきか 追記 ~折衷案の弊害~

昨日の記事で、言い足りない部分がありましたので。

そこには恐ろしい弊害が…

ボツ案を作る一番の弊害。それは、「折衷案」です。

一番望ましいのは、採用としたい案が選ばれること。これは至極当然のことです。いや、その案だけで決まるならそれが一番ベストか。

それでも、いろんな理由があって数案出しているので「これを選んでね」とお客様にはババ抜きのババをひかせるように仕向けたりね、まあその。いろいろ画策するワケです。力を入れて作る案なのでだいたい最初にプレゼンします。

 

で2番目に「これでもしょうがないな」といえるのが、時点の案が選ばれること。これも想定内であり比較的納得のいくパターンです。デザイナーを変えて作ることもままあるので、新人デザイナーの案が通ることもあってそれはそれで(ある意味)ハッピーともいえる。まったくボツにするつもりもないのですよ、実際は。

 

最後にもっとも私が忌み嫌うパターン。それが、(ああ、書いていても気分が落ち込む…)折衷案です。それもけっこうな頻度で現れるのです、奴は。

 

最悪ですね。

まずコンセプトがぶれるし、全体の整合性が崩れます。

あまりデザイン慣れしていないクライアントに多い気がしますね。社内で意見が分かれたというのもありがちな話で。社長はこの案が気に入って、専務はこちらの案のほうがいいという。では、なんとかA案とB案をくっつけてはいかがかな?と。

こういうのは、100%うまくはいきません。だいたい振り出しに戻るし、そうでなくてもヘンテコなものを市場にリリースするのは物を作る人間として心外なのです。

 

折衷案にもいろいろ

一口に折衷案といっても、程度問題なこともあります。

ベースはA案で、C案のテイストを入れて、B案のこのイラストをここに。というようなのはむしろウエルカムなんですが…。あ、でもこういうのは折衷案とは呼びませんね。かなり発展的なディスカッションといえますから。

 

さいごに

昨日に引き続き、ちょっと愚痴っぽくなりつつ仕事関係のことを書いてしまいました。副案を出すことについては今すぐなくすのは難しそうですが、仕組み的に少しずつ変えていくことは可能な気がします。ヒアリングやオリエンテーションの精度を上げて、的をできるだけ小さくするとかね。現在、そのための「ブリーフィングシート」を作ったりもしていますので、また機会があればお見せできるかと。