ああ、これはなかなかに難しい問題です。
しかもいつも直面している。今もなんですがね。
ほぼ日の「今日のダーリン」でも書かれていましたが、広告代理店や制作会社で大の大人が集まって夜遅くまで何の仕事をしているのか?
今日もボツ案は作られる
そう、「初めからボツになる案」をせっせと作っているのです。もちろん、採用になるべく作る案はあります。一番最初にね。で、
・採用案を引き立てるため
・数案出せと言われたから
・企画に厚みを持たせるため
・なんか自信がない
・はっきり言ってどの方向がいいかわからない
・クライアントの「参加した」感を醸し出すため
などの理由のもとにボツ案は今日も作られるのです。
特に最後の「参加した」というのは大きいのかな。「選ぶ」というのはりっぱな参加行為だし、「私もクリエイティブの一端を担っている」というカタルシスを得られるのはある種の快感かもしれません。
本当につくるべきなのか?
私の同僚で「俺は絶対に1案しか作らない」という剛の者もいます。「だって、自信をも持って提示したほうが説得力があるじゃない」とおっしゃる。わかっていますとも。わかっちゃいるけど、なかなかその領域にいけないんですね。
副案のつもりで作ったものが「あれ?こっちのほうがいいじゃない」ということもないことはない。まあ、本当に稀なんですが。
ボツ案にかける時間を、採用案に充てればもっと練ることができるという意見もあります。これに関しては人それぞれかな。私個人としては、1案にあまり時間をかけると「お腹いっぱい」というか飽きちゃう傾向があるので。それよりも副案を作って、採用予定案と見比べることで「強み」を見つけることはできると思います。
……。あまり効率的じゃありませんね。
本当の理由は…
いろいろ書きましたが、わかっているのです。本当の理由。それは。
・クライアントの接待
デザインは最高の接待です。これほど面白いものはないんじゃないかな。ゴルフなんかよりずっと快感だと思います。数案持ってこられると「ああ、私は大事にされている」と感じてくれているのですね。
でも、お仕事忙しいんでしょ?もうそろそろ、こういう不毛な駆け引きをやめられないのでしょうかね。
21世紀もすでに20年以上たったのだしね。