デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

UQモバイルのCMがちょっと不快な訳

「リスクを冒さないことこそ、最大のリスクだ」

「現場に行かなければ、現実は見えてこんぞ。」

「好評かどうかを決めるのは我々ではない、お客様だ」

 

うーん。言いたいことはわかるんですけどね。

これって、完全にクライアントに向けたコピーになっているのです。

どれもビジネスマンなら「耳なじみのいい言葉」じゃないですか?

CMを一消費者として見ることができず、クライアントへのプレゼンが浮かんじゃいます。たぶんプレゼンの初っ端は、

UQはもはや激安携帯ではありません」

から入ったんだろうな。この貴族のイメージはそこからでしょう。深キョン・タベちゃん・ながのめい三姉妹からのこの変わり方は…。

そしてUQのQを満島ひかりさん演じるQUEENと関連付けて「名前を覚えてもらおう」作戦です。今人気の松田龍平も執事役で出ています。

なるほど確かにここに一人、名前を覚えた小市民がいますからね。

しかし仮にも大手の会社が打つCMで、狂言回しとはいえ、サービスが「貴族」で消費者が「下々」という図式はいかがなものだろう。誰も反対しなかったのかな。そりゃそうだ、プレゼンを受けてる側は貴族なんだから。悪い気はしないでしょう。

 

最近のテレビの「スポンサー第一」の考え方はCMにも出てきたかと思いました、私。しかたないのかもしれないけれど、「私は今、何を見せられているんだ?」というやるせない気持ちがありますね。実はこの感覚は前から感じていたもので…。

積水ハウスのテーマソング

「家に~帰れば~、セキス~イハウス」

小林亞聖作曲のメロディに乗せて、本当にいろんな人が歌っています。

私が知ってるだけでも、CHAR、南義孝、アルケミスト八代亜紀…。

「お金さえ積めばなんでもさせられる」というやるせなさ。そしてスポンサーへの接待ともいえる豪華キャスト。

まあこんな気持ちでCMを見ているのはごく少数なのでしょうけど。

 

スポンサーファースト

広告代理店や制作会社がスポンサー優先になるのは、わかります。私も広告関係者の端くれですから。でもそこばっかり見ていると広告の機能が弱まってしまうのでは?と危惧してしまうのは私だけではないはずです。「好評かどうかを決めるのはお客様なのだ」の本当の意味をもう一度考えるべきかもしれませんね。