デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

クリスマス・イブ 山下達郎

今週のお題「買ってよかった2021」

山下達郎のおもに70~80年代のアルバムをAmazonブックオフで買いあさっています。レコードで持っているものも数枚あるのですが、現在レコードプレーヤーがないので買いなおしですね。ソロになってからのアルバムは、「山下達郎は外人になりたかったのか?」というほど洋楽っぽい。特に初期のものがその傾向が強いと感じます。

歌ではなく音楽。

詞、曲、コード、アレンジ、楽器構成、パッケージとしての音楽を日本に普及させたアーティストの一人でしょうね。間違いなく。

アルバムが家にあるということに所有欲が満たされるのは、聞き込んでも素晴らしいし、BGMとして流しても様になるから。そんな気がします。

そんな中から、今日はイブということもあり「クリスマス・イブ」のお話を。

 

クリスマス・イブ

山下達郎といえばクリスマス・イブ。世間ではそんなイメージかもしれません。「達郎」が冬の季語になったくらいです。実は夏っぽい曲のほうが圧倒的に多いのですが、ミリオンヒットの仕業でしょう。

 

いろいろなエピソードに事欠かない曲でもあります。

本人の弁では詞、曲、アレンジにおいて今までのどの作品よりも完成度が高いと。

その割には当初シングルにならなかったのも有名な話で、これはもともと竹内まりやに書いた作品で、彼女のディレクターにボツを食らったという苦い過去があったようです。

 

途中に多重コーラス(達郎本人が何度もかぶせたコーラス)がありますが、これがパッヘルベルのカノンなのはご存知でしょうか。最高の自信作なのにカバーを入れこむあたり、本当にオシャレだし先人の音楽へのリスペクトが感じられます。

ちなみにカノンのコード進行は、ヒット曲によく使われていてマキタスポーツさんがYouTubeでわかりやすく解説されています。使うとヒットするけど、ドーピングに近いから一発屋で終わる人が多いらしいですね。

 

そして何よりも詞がすごい。たぶん「聴いている人が主人公になれる」曲の草分けではないかと。発明ですよこれは。

「雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう」

「きっと君は来ない。一人きりのクリスマスイブ」

およそドラマの主人公にはなれない色男ではない男(私も含め)が、自分のことのように思っているはずです。実際、モテなかったのでクリスマスあまり好きじゃなかったしね。

 

英語詞もおすすめ

オリジナル曲は「melodys」に入っていますが、みんなと気軽に聴きたい方には英語詞バージョンがこのアルバムに入っています。詞の切なさが中和されていいかも。他は名曲のカバーですが、達郎の歌のうまさと原曲のすばらしさが味わえる名盤です。そして我が家のクリスマスの夕食BGMの定番でもあります。

ぜひ。