サザエさん症候群
今日は月曜日です。昨日の夕方6時半にやっていた「サザエさん」は「お休みの終わり」として憂鬱になるほど私たちの生活に定着しました。
●キャラクターが年を取らない
●今の時流にあっていない(携帯・PCのない世界)
●毎年同じネタをやっている
など、ツッコまれることも多々ありますね。
一時期は「磯野家の謎」という本が売れたり、ワカメの同級生の堀川君がサイコパスであるとか、まあツッコみやすい漫画ではあります。ただこれだけツッコミ甲斐があるというのも安定して放映しているが故で、ここまで長きにわたり続けるのには製作スタッフの苦労もあるのでしょうね。
時代性
この物語は「いつのもの」なのか?と問われると答えに窮するかと思います。
家に飾ってあるフランス人形のように、いつの間にかその人形の年齢は超えているのだけれど一度も歳が重なったことはないような。
たぶん、原作の長谷川町子の世界を踏襲しながら多層的に現代の空気を入れているからではないでしょうか。あくまでも違和感のないようにね。
この努力がフィクションの時代性を創り出しているため、波平が「ばかもーん」と怒鳴っても問題になることはないし、エアコンや通信機器がない世界も、フネさんの和服姿も「ま、いいか」と受け流せる。むしろ気持ちをリセットするのに最適なアニメになっています。
ちびまる子ちゃんとの相違点でもありますが、単に「あるある」ではなく「人の真理」や「人間の可愛さ、可笑しさ」という部分に根差しているのも長寿の要因かと思います。人間の真理を語るのに通信機器は不要なのです。
可愛すぎないキャラクター
私は漫画「サザエさん」(姉妹社)の50年来のファンです。
知らない若い方も多いかと思うので説明しますと、もともとは昭和初期に描かれた朝日新聞掲載の4コマ漫画なのですね。これを著者長谷川町子の姉、長谷川真理子が編集・出版したのが漫画「サザエさん」です。興味のある方は「サザエさん打ち明け話」をご覧になると良いかと。私の永遠のバイブルです。
サザエさんとマスオさんがデパートの地下食堂で集団お見合いして結婚していたり、お金持ちの家で家政婦をしていたサザエさんも見られます。この「原作とアニメ」の差異がツッコミの元ネタになっていたりもします。
それはともかく、絵がすごくいいのです。当時の風潮もありますがカワイイものを描く気はさらさらなく、すごく丁寧に昭和の生活が描かれています。小物も女性的な目線で一つ一つ描かれている。そして絵にデッサンを感じるのです。
いろんな漫画を読んできましたが、「きれいな線」をここまで感じる絵はあまりありません。実家に50巻ほど置いてあるので帰った時にいつも読み返しますが、飽きることがありませんね。