先日注文トラブルがあったからではないですが、ちょっと鼻につくアマゾンのテレビCM。
「めっちゃお得」をとにかく連呼するやつです。すごく放映回数が多くて、しかも連呼型だから、何度も何度も「めっちゃ」を聞くはめになります。
ただ不快だと言っていてもアレなので、なぜ気になるのか分析してみたいと思います。
標準語お中の関西弁
「めっちゃ」って近年、関東圏でも市民権を得た関西弁のひとつだと思います。
私、関西弁はむしろ好きな方で「めっちゃ」だってけっこう使います。このCMがなんか鼻につくのはたぶんその安易さではないかと。
これに出ている俳優、みんな標準語なのです。で、アマゾンのサービスを謳うときだけ修飾語として「めっちゃ」を入れる。
「気取ってる場合じゃないよ。本当にオトクなんだから」というあけすけな気持ちを表現するにはこの言葉しかないという判断がここから読み取れます。
それにしてもこの一点突破はちょっと安易で厳しいな。標準語の中の関西語はちょっと使うならいいけど、連発されると違和感が膨らむことがこれでわかりました。
ビールの「うまい」も安易だなあ
これは前に書いた記事ですが、ちょっとリライトして載せます。
「うまい」ってコピーが使えたらどんなにいいだろう。これはコピーライター中畑貴志氏が対談で冗談まじりに言っていたことです。
それも今は昔。テレビを見れば「うまい」「おいしい」のオンパレードです。ビールも発泡酒も、酎ハイだって。どうしちゃったんだろう?
スポンサーがせっかちになったのか、もうひねったコピーは必要ないのかも。そりゃ、おいしいんでしょうけど…。
でもこれ、コピーライターじゃなくてもいいですよね。最初の1本は確かに画期的だったのは認めます。
そんなことを考えていたら、ありました。思わずビールを飲みたくなるCM。キリンです。以下再現。
若手お笑い芸人が二人、深夜の公園でネタ合わせしている。それをベンチで見ている中年サラリーマン、手にはキリンビール。
芸人の一人が相方に目配せ、小声で「俺のおやじだ」。
芸人の道に進むのに反対していたころのシーンがカットイン。
芸人二人向き直ってサラリーマンにお辞儀し、ネタを始める。
終わった二人ににこりともせず、ビールを1本ずつ渡すサラリーマン。「やってみろ」
コピーのカットイン「ビールはときどき応援歌になる」BGMはMONGOL800の小さな恋の歌。
あ~。いいCMなんだな。ちょっとほろ苦いこのビールが飲みたいなって思う。キリンという会社に惚れてしまう。
ブランドってこういうことなんだ。
「売る」のはもちろん大事だけど、ファンを増やすこと考えないとね。
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