デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

させていただく問題を考える

「させていただきました」

けっこう前から気になっていたのですが、今も健在。テレビで、アイドルが、俳優が、ミュージシャンが、そしてアナウンサーが使いまくっています。

 

横浜アリーナでコンサートをさせていただきました。」

→誰に対する謙譲語なの?会場の関係者?近隣の住人?

 

「本を書かせていただいて、書店に並ばせていただきました。」

→本書くのに許しがいるの?並ばせてってもしかして「棚」に敬語使ってるの?

 

「スマップを解散させていただきます。」

→ちょっと古いですが、これは大目に見るべきかな。

 

 

日本語が間違っておる!と声高に言う気はありませんし、そのあたりの細かなニュアンスの話は他にいっぱいブログ記事がありますのでそちらでいいかと。

私が気になるのは、誰が最初に言い出して、どう広まったか?ということです。

 

EXILEがあやしい

と思って、他の人の記事を調べたらやっぱりありました。

「ヒロさんにテキーラを飲ませていただいて…」

ヒロさんは確か会社の社長では?これって私たちの世界では「鈴木部長に食事に連れていっていただいたんです。」と客先で言っているようなものですね。

 

「リハビリをさせていただいて…」

MAKIDAIという人が言っていたそうです。勝手にしたらいいのでは?とつい冷たい態度をとってしまいそうです。

 

他にも若手の人はEXILE流儀なのか、語尾に「させていただきました」を付けるのを由としている感じがします。どうやらこのあたりから派生したと思われますが、歴史の証人ではないので確かではありません。ジャニーズやAKBが先かもしれません。

 

どうして広まったのか?

芸能人がやたらとネットの評判を気にするようになったのが原因と思います。芸能人同士でしゃべっていたらそんなに問いただされない問題も、文字になってネットニュースやSNSに載れば炎上や好感度の低下というリスクを伴います。

ま、そうでなくても「君子危うきに近寄らず」で、これ付けとけば間違っても面倒なことにはならないという生活の知恵とも言えますね。

しかし、言葉のプロであるアナウンサーからこの言葉を聞いたときは耳をうたがいましたね、私。

 

その問題点

面倒を避けるための対策。そこを見透かされていることに、本人たちが気づいていないのが問題だと思います。

「世間に後ろ指差されないように当たり障りないコメントを出すタレント」そんな印象を私だけじゃなくみなさん感じているんじゃないかと。

 

逆に、若手なのに「CDを出します。私が作詞しました。」っていう人のほうが誠実で信頼できると思ってしまいます。

言葉は言霊(ことだま)なので、思っていることがそのまま見えてしまうのです。

 

あ、そういえば最近「それこそ~」という言い回しもよく聞きますね。

それこそ、こんなおいしい中華の店なんですけど~ みたいなの。

 

これについても、それこそ今度考えさせていただきます。