今の仕事(印刷屋のグラフィックデザイナー)に就いて30年以上経ちます。
あまりにも長く同じフィールドで働いてきたので、他の仕事がどんなものだか実感としてわからなくなることがあります。このことは前の記事で書きました。
リンク→”仕事ってなに”
印刷屋に限らずデザイナーという仕事はクライアントの業務を理解しなければならないので、いろんな職業の方と接することができます。
先日は千葉県の小湊鉄道関連の仕事をさせていただき、電車の構造と独特の名称について知ることができました。
鉄っちゃんの皆様には「何をいまさら」という内容ですが、そうでない方々のためにほんのサワリを書きますね。
電車に乗る時に、車体の下のほうに「キハ」「モハ」「クハ」といった文字を見かけたことはありませんか?私はほとんどスルーしていました。
これにはちゃんと意味があって、
「ク」は運転台を備えた制御車。(駆動車のク)
「モ」はモーターを備えた電動車
「サ」はけん引される、何もついていない車輛(差し込まれるのサ)
「キ」はエンジンを搭載した車両(気動車のキ)
では「ハ」は?
これは車輛の等級です。イロハのハなので3つ目ですね。普通車です。
ロはグリーン車で、イは現在はあまり使われていないらしいです。
これらを組み合わせて、例えば運転席とモーターがある普通車輛なら「クモハ」となるわけです。
余談ですがお役立ち情報。モーターが付いていない車輛はやはり静かなんだそうです。だから静かに乗りたいときは? そう、「サハ」ですね。今度乗ってみてください。
これは、ほんの、ほんの一部なのでくわしいことが知りたい方はきちんと調べてくださいね。
「モハ」とか「クハ」って何?知って納得!鉄道車両の暗号の読み方|@DIME アットダイム
ちなみに小湊鉄道の場合は、ディーゼルエンジンで上に電線がありません。名称は「キ」が付きます。非常に景観の美しい車両で人気もあります。
こんな感じで一つの職種だけでも、たくさんの情報を仕入れてクライアントと接しますが、情報が必要というよりも担当者と「楽しくお話できる」ことが大事なんです。
そして「職業に貴賎なし」の言葉通り、どんな仕事も素直に「すごいな」と思います。ラーメン屋さんでも学習塾でも、ホームセンターも健診センターも、ホテルマンも鉄道員も、カメラマンや通訳だって。どれもすぐには真似できないたいへんな仕事。ま、リスペクトがなければ私の仕事は困難なのですが。
それにしても、「働く姿」はどんな職業も美しいと思います。
そして逆説的な言い方ですが、私たちのプライベートが楽しく充実しているのは、誰かが働いていてくれるからなのです。
こんなよくわからないマイナーデザイナーに言われてもうれしくないかもしれませんが、なんだか「ありがとう」と言いたい気持ちなんです。