デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

映画「音響ハウス Melody-Go-Round」について書こう

じつはこの映画を観たのはもう2か月以上前なのです。なんとなくブログとか、同僚や友人に話すのも躊躇していた。

あまりにもマニアックな内容だし、パーソナルな想いが強くてうまく表現できないんじゃないかと。そう思っていました。

 

でも書きます。これは自分のためかな。一度整理しておきたいし、後で読み返して反芻したいという理由です。


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「音響ハウス」とは?

東京は銀座の近く、新富町にあるプロ向け録音スタジオ。佐野元春松任谷由実矢野顕子坂本龍一星野源などなど、錚々たるアーティストが愛した老舗にして最新のスタジオです。余談ですが新富は私が働いていたオフィスがあった場所で、実際に外観は見に行きました。

 

基本的にはアーティストへのインタビューの記録映画なんですが、主題歌を映画の中で作っていく構成。最後に完成した曲を流すところは圧巻です。

 

 

スタジオがいかに特別な場所であるかを、アーティストのみなさん熱く語っておられます。最新の機器があるだけでなく、「人が集まる」空気感が魅力であると。アビーロードスタジオにも勝るという入れ込み具合でした。佐野元春は相変わらずクールだったなあ。

 

一方主題歌、高橋幸宏がリズムを刻み、ベース、キーボード、ギター、ブラスと音が重なっていきます。コーラスは大貫妙子、ボーカルの10代の女の子に暖かくも厳しい指導が入ります。ちょっとこわいと思ったのは私だけ?そのくらいみんな本気と書いて「マジ」です。

 

トドメは葉加瀬太郎。やっぱりプロってすごい。微妙なバージョン違いをにこやかに、冗談交じりに提示してるところがカッコイイ。「ここをこうするとギャラが上がるけどいい?」とか。もちろん冗談で、ベストなバージョンをプロデューサーと真面目に探っていました。

 

最近では、自宅のパソコン上で音楽を組み立てていくやり方が多くなりましたよね。それはそれで好きなだけこだわって音楽と向き合えていいのかもしれません。

ただ、人と人が触れ合って作られる音楽はやっぱり、暖かい。そう思います。

こういうスタジオがいつまでもあると、私たちはきっとハッピーになれるんでしょう。

 

ちなみにこの映画は恵比寿の写真美術館で観たのですが、やはり同世代の方が多くて、見終わったときに「すっげーよかった。」と奥様に嬉しそうに言っていたのが印象的でした。