デザイナー羊男の毎日

日常の「気づき」のおはなし。ごゆっくりどうぞ。

許せるようになる50代

私も昔に比べれば多少は丸くなったと思います。

逆に頑固になる人も多いとか。それもわかるなあ。

経験をたくさん積んでくると、背負ってきたものの重みを周りに言いたくなるのでしょうね。その点、私はそれほど重厚な人生を送ってきていないので身軽なのかもしれません。「許せる」ようになったこともいくつかありますよ。

その中でも、取るに足らない例をあげようかな。個人的にそういう軽いものが好きだから。

 

まずは何もつけずに

外食に言った時に、メニューとかに書いてある「まずは何もつけずに召し上がってください」の一文。「うるさいよなあ。好きなように食わせてくれよ」と思っていたけれど、今は許せる。いや、その通りにしますよ。ああ素材の味が美味しいですねえ。

で、次はどうすればいいんですか?ってなもんです。

 

血液型の話

飲み会の席での血液型のお話。科学的根拠云々というような野暮は最初から申しません。でもなんか工夫がないし、「だから?」という感じになってしまうのは否めない。でも今は許せる。一所懸命場を盛り上げようとしているんだね。偉いよ。まあ興味のない人もそれなりには盛り上がれますもんね。

 

住んでるところ自慢

そうですか。世田谷にお住まいなんですね。聞いてなかったけどそちらからお話されるとは。ほかにも東横線沿線とか、話題のニュータウンとか、タワーマンションとかいろんな切り口があるもんです。前は鼻についたけど、今は許します。愛着があるんですよね、住んでいるところに。私も買ったからなんとなくわかります。あまり自慢するポイントはありませんが。

 

悩ましい 

本来は性的にグッとくるような意味のこの日本語。今では「悩むなあ」という意味合いで使われることのほうが多くなりました。変わりゆく日本語を嘆いていてもしかたない。言葉は生きているんだな。

 

と、まあ些細なことを許しながら、自分もきっと許されているんですよ。

世の中、持ちつ持たれつ。

禁酒2カ月で思うこと

正確に言うと2か月ちょっとですね。

まさか私がお酒を断つとはと、自分で驚いているくらいなんです。

きっかけは、成人病検診(4月末)の結果をよくするための追い込み。夏休みの宿題よろしく、最後のがんばりを見せた感じです。

それが1か月間だったのですが結果は「C判定」。「再検査を要する」というやつです。でも毎年駆け込み1週間だったのを1か月に変えたことで、数値はかなり良くなっていました。

「うん、せっかくだからもう少し続けてみよう」

そう、お得意のせっかくパワーですね。あと、お酒が体に与える悪影響をよく目にするようになったのも…。これもお酒と体についての興味が出てきたからだと思います。

 

ここまで読んで、

「ほう、ポジティブなじゃい。やればできるもんだね」

と簡単に思われるかもしれない。

でもコトはそんなに簡単じゃなくて。

 

前にも書いたけれど私、そんなに趣味がない人間なんです。仕事も割と根を詰めるものだし、休日も家族サービスというか、まあ控えめに生きている。

タバコもやめたし、ギャンブルはとうの昔にやめています。

だからお酒は唯一の楽しみだったのですよ。それもコロナで外呑みはしていないし、晩酌も1合程度。

それを、、、、やめる。重いなあ。

でも重く考えると嫌になっちゃうので、「いつでも飲めるよ」というくらいの気持ちで1日1日重ねていくという。それで2か月です。

 

つらかったこと

最初はつらかったですね。何か忘れ物している感じ。

夕食もすぐに終わってしまうので、時間的な物足りなさがあります(今までいかにダラダラ飲んでいたのか)。

そして、楽しみが減ったぶんそこに何かを補填しようと「甘いものが欲しくなる現象」が始まります。これも血糖値が上がりそうで心配にはなります。

そして、最初の1週間くらいは寝つきが悪くて困った記憶がありました。

 

よかったこと

寝つきはだんだんよくなりました。

睡眠の質が上がったのか?疲れが前よりもとれるようになった気がします。

ちょうど2カ月目くらいには、夕食時にお酒のことを忘れているまでになりました。なんとか「お酒を飲むのがあたりまえ」という意識をはぎ取った。

私はもともと習慣性の低い体質なので、たまに飲む機会があっても晩酌に返り咲くことはないと思います。

 

夏はビールの季節。うまいんだな、これが。

それも乗り越えて、もう少しだけ続けていきます。

 

TSDO展に行ってきました ~佐藤卓のデザイン~

佐藤卓

私にとって、スターであり、師であり、いつも気になっている人。

ちょっと語弊があるな。

 

スターといってもどこか身近に感じられるし、すごく尖っているわけでもない。デザインはフラットで生活の中に溶け込みながらも、良質で深遠な考え方やクオリティを提供し続けるクリエイターです。

 

師といっても実際にお目にかかったことさえないし、ホント雲の上の人。でもデビューから鮮烈な印象があって、いつも追っかけているうちに私の先生のような存在になっていました。

 

いつも気になっている人。これは掛け値なしにそうですね。そして最も重要なことかもしれません。モチベーションを落とすことなくいつも新鮮な驚きを与えてくれる。20代や30代のフレッシュなデザイナーよりも前を行っています。それでいて、考え方はいつもリベラルで消費者やクライアントの幸福を願っています。

本当に尊敬しています。

 

ちょっとおしゃべりが過ぎますね。好きな人のことだから。

TSDO展、GGG(銀座グラフィックギャラリー)で開催中です。

私の稚拙な文章よりも、これを見ていただいたほうが1000倍わかります。

TSDOは佐藤卓が主宰するデザイン会社

会場(これは地下)の様子

さまざまな業種の仕事をこなします。どれもクライアントととことん話し合って、最適な答えを導いています。

明治「おいしい牛乳」パッケージ

見たことありますよね。なんてことはないデザインですが、驚くほど考え抜かれています。

SBの調味料パッケージ

モダンやおしゃれとはほど遠い、でも「唾液の出る」デザイン。ホントに重要なことってなんだ?

SBの調味料瓶

シルエットが「鍵穴」の瓶。料理のカギですから。人にも見えるな。集めたくなるデザインです。

ラベル用紙

こんな消耗品さえ「もっと使いやすく」。たしかに積んだときにも視認性が高く、知りたい情報が一目瞭然。で、ギリギリ野暮ったくないんだなこれが。

 

若干、業種が偏りましたがそれぞれに制作の「こころ」が明示されています。どれもしっかり読んでいたので閲覧に2時間以上かかりました。

最後に、ちょっと変わった仕事の写真を載せて終わります。

佐藤卓の個展ポスター

銀座松屋のリニューアルイメージ

これは、全部衣服やアクセサリーでお弁当を作っています。

 

企画展「Water」の一場面

 

自然界にない色

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今、東京駅です。

東海道線のホームからは、東北新幹線がよく見えます。これは「こまち」じゃなくて「はやぶさ」かな?詳しくは鉄道オタクのみなさまに預けるとして、気になったのはこの色なんです。

ちなみに今朝6時半なのですが、文字通り「目の覚めるような」眩しいピンク。

この色ってあまり自然界では見ない色なんですよね。

「ピンクのお花があるじゃない?」

いえいえ、このマゼンタ100%はどこのお花畑で探してもないかと。

だからこそ、私がデザインするときには「パッと目立たせたい場面」で使うようにしています。非現実感を演出するのにはいい色なんです。ちょっと最近頻度が増えてきて、「いかんなあ」と思っていますが。

 

この色をなぜ東北新幹線に?

ついでにその上のブルーグリーンも自然界ではあまり見ないし。

 

東北新幹線には以前出張でよく乗っていました。本当に素晴らしい景色のなかを疾走するこの列車は、それだけでも特別なものです。田園風景、美しい森林、雪景色。

そこに溶け込むのもいいけれど、そのなかで異彩を放つ新幹線をデザイナーはイメージしたのじゃないかしら。ほら、新幹線はすごい速さで移動するものだから、一瞬の閃光のように現れて、またもとの雄大な自然に戻る。

そんなプレゼンテーションを勝手に想像していたのでした。

 

なんてことないデザインVol.1 ~アレッシィの掛け時計~

前に書いた記事で、わりと気に入ってるものがあります。

hitsuji360.hatenablog.com

 

ここに書いた「アノニマスデザイン」は、気づきにくいけれど私たちの生活のいろんなところに溶け込んでいます。そりゃそうだ。そういう性格のデザインですからね。

私はそんな控えめで遠慮深い「モノ」たちが大好きなのです。

というわけで、「なんてことないデザイン」というカテゴリーを作りました。

 

私が買ったものや街でみつけたものを取り交ぜて、簡単な解説と私の思いを書いていきますね。

 

アレッシィの掛け時計

第一弾はこれ。わが家のリビングルームにあります。

ほんとに存在を忘れてしまうくらいの「なんてことなさ」。

イタリアの巨匠カスティリオーニがピエル・ジャコモとともに展示会に出品した作品といわれています。いろんな色のバリエーションがありますが、その中でも存在感のないものをチョイスしました。

え?もっとシンプルでアイコン的なものがあるでしょう、無印良品とか。という声が聞こえてきそうです。そう、シンプルなものはあるのですがそのシンプルさが主張してしまうのですよ。「ほら、すっごくシンプルでしょう」ってね。

 

この時計にはそれさえもありません。しつこいようですがこれが「アノニマスデザイン」であり、これはわかりやすい例です。それを作るのはすごい完成度と洗練、そして社会的既視感を必要とする。

覚えていないですか?ファミレスとかでよく見るとあったりしますよ。

 

でも、ここまで言っておきながら実はこのデザイン「ひねり」があります。

この時計、どこか1か所間違いがあるのです。さあどこでしょう?

 

 

 

 

ローマ数字の4の部分。これ間違っているのです。正解はⅣです。

これは時間をわかりやすくするための施策であり、巨匠カスティリオーニの茶目っ気なのかもしれませんね。

 

 

 

犬の能力

ここのところ言い訳っぽい記事が多いと自覚しながら書いています。

ちょっと仕事が忙しくなってきましたので、ショートな感じで(ヘアスタイルか)まとめていきたいなと。

 

さて、私犬の能力ってすごいなと思っています。

盲導犬介助犬は言うに及ばず、牧羊犬、警察犬、麻薬探知犬、セラピードッグ…。

いや普通にお手お座りだけでも、人の言うことをある程度理解して従う動物なんて他にいないんじゃないかな?ま、いることはいるけどなんか次元が違う気がします。

 

そして、その能力がどれも「人間では及ばない」ものなんですよね。

もっとリスペクトされるべきだな、犬。

 

で、その能力の根底にあるのが「従順である」ということ。

だってそもそもオオカミの末裔である犬は、獲物をかみ殺すくらいの顎の力や牙を持ち合わせているのですよ。どんな小さな犬だって、殺さないまでも致命傷を与えることはできるはず。いざとなれば、意にそわない人間の首筋に食らいつくことだって…。

その牙を隠して、文句も言わず(そりゃそうだが)人間の役に立ってくれる。

 

そこにこそ底知れない能力を感じてしまうのです。まず、とてもとても、私たち愚かな人間どもは犬の能力に及ばないでしょう。

 

能力があったらひけらかす。自分の立場ばっかり主張する。ちょっと気を許すと余計なことを言う。いや、お犬様の爪の垢があったら飲ませたい、いや飲ませてもらいたいものです。

そして私が羨望する一番の能力は「話さないで黙って聞くこと」。

昔、犬を飼っていましたが彼、彼女にどれだけ救われたか。

 

人間はホントに余計な事言うからなあ。

日曜日のブログ ギターソロを飛ばす人

えー、これから土日のブログはちょっと手を抜こうかなと思っています。

いや、手を抜くとは人聞きが悪い。「気軽に読める」軽い読み物にしたいなと思いまして。

いつも同じテンションで続けていくのは、書くのも読むのもしんどいのじゃないでしょうか?

あと、基本土日はパソコンに向かっていないし、向かいたくもないのでスマートフォンによる入力を是とします。そうすると自然と難しい内容は打てないんですよね。

あとまとまった量も難しい。ちなみにこの記事はパソコンで打っていますが。

まあそもそも言うほどたいそうな記事は書いていないので、こんなに予防線を張るのも「なんだかなあ」とは思います。

なんにせよ、そういう感じでしばらくは書いていこうかなと。

 

さて、でなに書く?

そうそう最近の若い人は配信で音楽をサクッと買うので、アルバムで聴くということが少ないと聞きました。そうか、シングルのおいしいところだけ聴きたいんだね。ショートケーキの苺だけ食べるようなもんですな。

無駄がなくてそれもいいのかもしれません。人生は短い。

 

でも、先日も書いたけれどコース料理の良さも味わってほしいとオジサンは思うワケです。

hitsuji360.hatenablog.com

 

隠れた名曲というのもアルバムにはあるんですよ。

 

あと、ギターソロを飛ばすというじゃないですか。曲聴いてて、ギターソロが来たら早送り。「ホントかよ」と。だるいのかなあ、ギターソロ。

まあカラオケならわからんでもないけれど、曲の一部分ですからね。私なんかギターソロが来たら「やった!」という曲がいっぱいありますよ。今やってる映画「トップ・ガン」の主題歌「デンジャーズ・ゾーン」なんかその最たる例です。

 

たぶん、曲の傾向が変わってきたのでしょうね。ロック全盛ではないし、ポップで踊れる音楽が「時代の気分」なのね。

 

と書いてきて、あんまり今までと変わってないことに気づきました。

 

いや来週からもっと軽くします。